三菱ふそう、EVトラック「eキャンター」を台湾で発売。海外展開6市場目
三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は6月6日、台湾で電気(EV)小型トラック「eCanter(eキャンター)」の新型モデルを発売した。台湾でのeキャンターの投入は初めて。
eキャンターは、都市が抱える騒音や排出ガス、CO2低減の課題などの解決を目指し、MFTBCが2017年に発売した国内初の量産型EV小型トラック。電動で駆動することで排出ガスが一切出ないeキャンターは、従来のディーゼル車と比較して騒音や振動も少なく、都市内輸送のほか深夜早朝での輸送に適している。
2017年の初代モデル発売後、2020年8月に安全装備を拡充した改良モデルを発売し、これまで日本をはじめ、欧州、米国、オーストラリアおよびニュージーランドで展開。2023年3月にフルモデルチェンジした新型モデルを発売した。
台湾での販売に先立ち、台湾の地方道路や公共充電施設で2年間、累計5万kmの信頼性試験を実施した。販売開始は、台湾が2050年までのネットゼロエミッションのロードマップを策定した時期と同じタイミングとなり、eキャンターを製品ラインアップに追加することで、MFTBCは台湾で企業や物流事業者がゼロエミッション計画を達成するための持続可能なソリューションの提供を目指す。
台湾で販売するeキャンターは、車両総重量(GVW)5トンモデルおよび8.55トンモデルを展開し、いろいろな輸送ニーズに対応するため、ホイールベースやボディ、ePTO(動力取り出し装置)などのオプションをそろえる。安全装備には、衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」、車両接近通報装置(AVAS)、車線逸脱警報装置(LDWS)、車両安定性制御装置(ESP)といった先進安全システムを標準装備する。
DTATでは、台湾全土の7カ所にeキャンター専用の修理・メンテナンスサービスを行う拠点を設置。ユーザーへのサポートを強化するとともに、サービスセンターには技術者が常駐し、ディーゼル車からEVトラックへの移行をサポートするとしている。