アイシン高丘、インドネシアでのバイオ燃料生産に向けパーム油生産会社と合弁会社設立
アイシン高丘は6月12日、インドネシアのパーム油生産会社であるTriputra Agro Persada(以下、トリプトラ)とインドネシア法人設立に向けた合弁契約を締結したと発表した。
新会社では、石炭コークス(※1)を使用した溶解工程のキュポラ(※2)溶解でのCO2排出量の低減を課題とし、石炭コークスの代替材となるバイオ燃料「バイオ成型炭」の生産をインドネシアで行い、カーボンニュートラルの実現や廃棄物の低減に貢献する。
アイシン高丘が開発するバイオ成形炭は、アブラヤシからパーム油を精製する過程で残ったヤシ殻を原料としたバイオ燃料。石炭コークスを100%バイオ成型炭に置換可能という実証評価は完了しており、2025年夏頃に合弁会社で生産を開始し、世界中の鋳造企業への展開を目指す。
トリプトラグループは、アブラヤシの生産量世界一のインドネシアにある、パーム油生産や天然ゴム生産、自動車部品の製造などを手掛けるコングロマリット企業。パーム油の生産量は年間100万トンに達し、国内有数の規模を誇るという。以前からグリーンビジネスに取り組んでおり、バイオ成型炭開発を進めるアイシン高丘の開発理念に共感し、協業する運びとなった。
合弁会社の設立は7月を予定しており、出資金は約10億円。出資率はアイシン高丘が51%、トリプトラが49%となる。
※1:石炭を乾留(蒸し焼き)して炭素部分のみを残した燃料
※2:鋳鉄鋳物を製造するための直立する鋳鉄溶解炉