横浜ゴム、中国に乗用車用タイヤの新工場を建設。生産能力1.5倍に増強
投資額は19億6,000万元（約367億円）で、2026年第2四半期からの生産開始を目指す。生産能力は年産900万本でスタートし、将来的な拡大も想定している。
新工場建設は中国政府の都市再開発を目的とした移転要請に応じるもの。現地のタイヤ生産子会社である杭州優科豪馬輪胎の既存工場を移転し、同じ杭州市銭塘新区内に建設する。浙江省・杭州市・銭塘新区政府が関わる外資投資プロジェクトとして、新たに設立される杭州銭塘優科豪馬輪胎が運営する。
新工場は、横浜ゴムが掲げている2024年度から2026年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026（ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク）」（YX2026）のタイヤ消費財の成長戦略のひとつ「1年工場」の第1弾にあたる。同社が今まで培ってきたノウハウと、現地で実績のある協力企業のノウハウを融合し、低コストで高効率な生産を構築。市場競争力の高い工場を1年で立ち上げることに挑戦する。
今回の移転を機に、生産能力を既存工場の600万本から300万本増強し、900万本とする。新車装着向けには電気自動車（EV）などの新エネルギー車への納入を拡大。市販向けにはグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN（アドバン）」や、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR（ジオランダー）」などの高付加価値品比率を上げるため、ハイインチタイヤの生産能力を強化する。
新工場建設に先立ち、杭州市政府の支援の下、同市内に所在する新エネルギー車生産販売会社であるLEAPMOTOR（リープモーター）などと戦略提携を締結。今後も新エネルギー車への納入拡大に向けて、自動車メーカーとのさらなる関係強化を図っていく。
