電力シェアリング、EV充電のゼロドラ化サービスを開始。環境省「デコ活」の一環として
電力シェアリングは8月10日、脱炭素社会実現を⽬指す新しい国⺠運動「デコ活」の⼀環として、EV充電の再エネ化(ゼロドラ化)を可能にするサービスの提供を開始すると発表した。
デコ活は、2050年カーボンニュートラルおよび2030年度削減目標の実現に向け、環境省が2022年10月に発足した国民運動。脱炭素社会実現を⽬指し、国民の行動変容やライフスタイル転換を、国・自治体・企業・団体等が連携して後押しする。
同社は24時間365⽇、100%リアルタイムの再エネ電⼒需給の実現に向けて、2023に国連の主導する「24/7 Carbon Free Energy Compact」に加盟した。アドバンス版の手法をベースに、独⾃の特許技術(国際特許出願中)を⽤いて、リスクを最⼩化した円滑な再エネ取引の実現を⽬指した実験を、デコ活の⼀環として環境省ナッジ実証事業として実施している。
今回のサービスは、EVユーザーがアプリを⽤いて、再エネ価値をリアルタイムで購買するもの。ゼロドラ化を実現する⾏動変容を促す社会実証実験として実施する。
ゼロドラは、太陽光や⾵⼒などの再⽣可能エネルギーを使用し発電した電⼒で充電する⾛⾏⽅法。電気自動車(EV)はガソリン⾞と比較して⾛⾏距離当たりのCO2排出量を半減できるが、再エネ価値を充当した場合、ゼロにすることが可能となる。
同社はこれまでに、移動にEVやFVCを利用することで移動時のCO2の排出量をゼロにする「ゼロ旅」サービスの実験を行ってきたが、⼀般の消費者や事業者がゼロドラを実現するのは困難だったため、スマートフォンアプリを用いた新サービスを開発した。EVユーザーが充電時に同アプリ上で再エネ価値を購買することで、ゼロドラ化の実現が可能となる。サービスはEVユーザーに直接提供するほか、すでにモビリティーや物流企業などにもSaaS提供している。
すでに市場化されているゼロドラ化サービスは、Jクレジットなどの過年度に⽣成されたオフセット証書を引き当てる手法が多く、時間と地域のミスマッチが発⽣し、夜は本来の再エネ電⼒が不⾜、昼は余剰分の太陽光発電の出⼒を停⽌する⼀因となっている。同社でも、まずは同一の手法で、β版としてサービスを開始する。
今後は、2025年上期を目途に、リアルタイムに⽣成された再エネ価値のタイムスタンプ付き環境証書を遠隔・自動・リアルタイムで取得して引き当てる選択を可能とするようなアドバンス版をリリースし、社会実証を行う予定としている。