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日本特殊陶業と日本大学、小径サイズの「BLT超音波エミッタ」を共同開発。強力な空中超音波を出力

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日本特殊陶業と日本大学、小径サイズの「BLT超音波エミッタ」を共同開発。強力な空中超音波を出力

日本特殊陶業と日本大学は8月21日、共同研究により、小型で強力な空中超音波の出力が可能な「BLT型超音波エミッタ(BLT type ultrasound emitter)」を開発したと発表した。

空中超音波を出力する超音波エミッタは、距離測定や位置検出が可能な超音波センサーとして、自動車用ソナーや一部のロボットセンサーなどに利用されている。この空中超音波を高音圧にすることで、凝集、分散、剥離、浮揚、励振などの作用が得られ、非破壊検査、音響浮揚、害虫/害獣防除、超音波治療応用など、さまざまな分野で応用検討が進められている。

超音波を高音圧化するためには、複数の超音波エミッタをアレイ構造とすることが一般的だが、装置の大型化や制御回路が複雑になるなどの課題を抱えていた。

日本特殊陶業は以前から、高出力を発生する超音波振動源としてBLT(超音波振動子)を製造しており、今回、日本大学理工学部と共同研究を進め、超音波振動を空中に伝える振動板とBLTを組み合わせた、小径サイズのBLT型超音波エミッタを開発した。

新開発のBLT型超音波エミッタは、構造の最適化により、本体は直径15mm程度(フランジ部は直径25mm)、全長60mm以下と小型であるにもかかわらず、高音圧を出力できるという点で優れている。さらに、高性能な圧電セラミックスを使用することで、高音圧化と低消費電力化を両立した。本体と振動板を一体化することで、信頼性も併せ持つ。

今後は、物体への非接触作用などを活用したさまざまな用途への応用が期待される。日本特殊陶業と日本大学理工学部は、製品ラインナップの拡充として、異なる周波数出力に対応したエミッタ開発を進めている。近年ニーズが高まっている環境配慮型の無鉛圧電素子を使用したエミッタの開発も目指している。

<新開発のBLT型超音波エミッタの概要>
サイズ:高さ59.2mm×直径15mm(フランジ部:直径25mm)
出力周波数:40kHz
音圧出力:1.7kPa(約159dB)(先端から300mm位置)
     6.6kPa(約170dB)(先端から100mm位置)
消費電力:5W

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