豊田自動織機、コカ・コーラ白州工場倉庫で4本フォークタイプのトラック荷役対応自動運転フォークリフト実稼働へ
コカ・コーラ ボトラーズジャパンと豊田自動織機は、「コカ・コーラボトラーズジャパン白州工場倉庫」(山梨県北杜市)において豊田自動織機が開発した、国内初※1となる4本フォークタイプのトラック荷役対応自動運転フォークリフト(以下、本自動運転フォークリフト)の実稼働に向け2024年9月より実証実験を開始したことを発表した。
実証実験の概要
飲料業界では、フォークを2つのパレットに同時に差し込んで荷役・搬送することが多く、その際に使用する4本フォークタイプのリフトを完全自動運転するものである。この技術の導入により、有人作業で行っていたフォークリフトの運転やトラックへの積み込み作業を完全無人化することが可能となった。今後は、2024年12月以降の白州工場倉庫での実稼働を見据え、両社で検証が重ねられている。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは物流の効率化やDXの推進に取り組んでいるが、フォークリフトの操作は数センチ単位のズレが作業に影響するため、人の経験や感覚に頼る部分が多いのが現状である。そのため、欠員が出ると人材育成に時間を要することがある。また、夜間の有人作業においては人員確保が特に難しく、繁忙期や夜間の出荷体制に課題を抱えている。
豊田自動織機は、1989年以降、工場や倉庫など屋内での定位置荷役が可能な無人搬送フォークリフトや無人搬送車など、自動化製品のラインアップを拡充している。昨今、労働力不足や物流量の増加を背景に、自動化ニーズが一層高まる中、未だ有人作業が中心で自動化が進展していない領域であるトラックへの自動積み込みなど、不定位置荷役の作業にも対応する製品の開発に注力している。
こうした中、飲料業界に対応した4本フォーク自動運転リフトの実用化、ならびに安定的な出荷体制の構築を図ることを目的に、2023年より両社で検討が開始された。今回、開始された実証実験結果の検証を経て、2024年12月以降の実稼働が目指されていく。
実証実験開始時期、場所
2024年9月~、コカ・コーラ ボトラーズジャパン 白州工場倉庫
トラック荷役対応自動運転フォークリフトの概要
自己位置検知・誘導用のインフラ※2を設置しない環境下におけるトラックへの自動荷役を可能にする「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」。
① 積み込み・積み下ろしの位置を把握
AIを搭載し、3D-LiDAR※3を用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、画像認識・ディープラーニングを活用したマーカーなどの目印が不要なパレット位置・姿勢検出。
② 走行経路を自動生成
荷役位置を自動フォークリフトが自ら判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成することで、トラックの停車位置が一定でない状況下においても自動で荷役をすることが可能となり、パレット間の隙間も有人作業と同様のレベルで、積載効率を落とすことなく、トラックへ積み込みすることを実現。
※1:豊田自動織機調べ(2024年9月10日時点)3D-LiDARを搭載したトラック荷役対応自動運転フォークリフトで、国内初の4本フォークタイプを実現
※2:磁気テープや磁気棒、レーザーリフレクタ用反射板、二次元バーコードなどの設備
※3:対象物にレーザー光を照射し、その反射光を測定することで、対象物までの距離を正確に測定できるセンサで、車両周辺状況の把握に使用