積水樹脂、自動運転対応のインフラ技術と安全対策強化で交通社会の未来を見据える|2030年までに400億円規模の投資計画。経営トップ自ら 中・長期成長戦略を発表
2024年9月11日、積水樹脂株式会社は成長戦略に関するプレス説明会を開催した。同社は今年で創立70周年、これまでに培った技術力を基盤に、多岐にわたる製品開発を展開してきた。近年、自動運転技術が自動車産業に大きな変革をもたらす中、積水樹脂はその技術的なインフラ整備を通じ、次世代の交通社会を支えることを目指している。
会見には、代表取締役社長兼CEOの馬場浩志氏と、取締役執行役員で事業開発部門を担当する三好永晃氏が登壇し、同社の成長戦略と社会課題解決型ソリューションについて説明した。
PHOTO:平木昌宏 TEXT:小松暁子
目次
社会課題解決へ向けた技術とインフラ整備で社会に貢献
冒頭で馬場社長は、積水樹脂が長年にわたり「技術と製品を基軸として事業展開してきた」ことを強調。今後も社会課題に対応する技術や製品を提供する方針を示した。「積水樹脂は、自動運転技術の進展とともに、交通インフラのさらなる進化を支える技術を提供します。我々の成長戦略は、交通安全とインフラ整備を通じ、持続可能な社会に貢献することにあります」と述べた。
同社は、自動運転技術の発展に伴い、車両とインフラの連携を強化するソリューションの開発に注力している。特に、交通事故を未然に防ぐためのインフラ技術に力を入れており、今後の自動運転社会に向けた新しいアプローチを提示している。
自動運転対応の発光装置とセンサー技術
続いて、三好執行役員が自動運転時代に対応した積水樹脂のインフラ製品について説明した。特に注目すべきは、自動運転車両の安全性を高めるための発光装置「スマート道路鋲」とセンサー技術「スマートポールITS用LED情報板」である。これらの技術は、歩行者や他の車両に対してリアルタイムで注意を促す仕組みを持ち、交通事故の防止に貢献する。
「自動運転車両の普及によって、道路インフラの役割はさらに重要になります。私たちは、歩行者や車両に対して注意を促し、交通事故を減少させるためのインフラ技術を開発しています」と三好氏は語った。
広島県呉市で行われた実証実験では、同社の発光装置・センサー技術を用いることで、自動運転車両の安全な走行をサポートでき、事故リスクを低減することが確認されている。三好氏は、「今後も自動運転時代に向けて安全インフラ技術の進化を目指し、2030年までには売上10億円を達成したい」と述べ、さらなる技術発展に向けた計画を明らかにした。