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椿本チエイン、V2X対応充放電装置「eLINK」と通勤用EVを活用した実証実験をテス・エンジニアリングと共同で開始。エネルギーマネジメントシステムによりCO2排出量削減を目指す

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椿本チエイン、V2X対応充放電装置「eLINK」と通勤用EVを活用した実証実験をテス・エンジニアリングと共同で開始。エネルギーマネジメントシステムによりCO2排出量削減を目指す

椿本チエインとテス・エンジニアリング(以下、テス社)は、椿本チエインの埼玉工場(飯能市)において、V2X対応充放電装置「eLINK」と通勤用電気自動車(以下、通勤用EV)を活用した、脱炭素に貢献する新しいエネルギーマネジメントシステム(以下EMS)の共同実証実験を開始したことを発表した。

実証実験の背景

カーボンニュートラルの実現に向け、世界中でEVの普及が進む中、課題となっているのが充電インフラの整備・拡充である。今回の共同実証実験では、通勤用EVに着目。椿本チエイン埼玉工場従業員が、就業時間中に工場内に設置した4台のeLINKを通勤用EVの充放電に活用することで、電力の需要調整やピークカット、再生可能エネルギーの活用をはじめ、従業員の通勤費削減などが検証される
(実施期間は2025年1月まで。期間中随時見学会を開催予定)。

テス社は、脱炭素に貢献するEV管理サービスの開発を通じて、工場や事業所向けに、EVを活用したエネルギーソリューションの提供を目指している。今回の共同実証実験では、多台数の充放電制御や複数台充電の最適化に強みを持つ同社のEMSとeLINKが連動。システム応答性が高く、柔軟な充放電に対応できるeLINKの特長を生かし、CO₂排出量削減への貢献が目指される。

1.実証実験について

(1) 通勤コストおよびCO2排出量削減の効果検証

ガソリン車からEVへの切り替えにより、通勤費は1/3~1/5に(燃料単価、燃費による)低減できる見込みとされている。また、eLINKを活用したデマンドレスポンス※1 により、EVを活用した事業所の電力コスト削減も見込まれている。EV化による、SCOPE3※2 カテゴリ7(従業員の通勤や移動)の脱炭素への貢献が目指される。

*1:再生可能エネルギーなどにおいて、発電量に合わせて電気料金を変動させ、電気の需給バランスを調整すること
*2:製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまでの過程において排出される温室効果ガスの量(サプライチェーン排出量)

(2) 複数台のEVの充電を最適化

通常、EVを満充電の状態にするためには、普通充電(5~6kw/h)で7~10時間、急速充電でも1時間以上を要する。自宅充電以外での、充電時間の確保がEVユーザーが抱える課題となっている。

本システムでは、就業時間中に通勤に必要な充電を行うことにより充電時間の課題が解消される。また、複数台のEVを同時に充電する時は、各車両の通勤距離を勘案して適切な充放電量を実現。EVと事業所双方の電力使用量の適正化にも貢献する。

(3) アプリやポイントによる充放電制御

事業者は、通勤距離に応じてEV通勤者にポイントを配布。EV通勤者は自身のスマホから配布されたポイントの範囲内で充電量を自由に設定。またEVから放電し(放電量の設定も可能)、勤務する事業所の電力削減に貢献した場合、その協力に応じたポイントが付与される。 また、脱炭素効果レポートを自動的に作成することで、事業所の通勤車両管理者や環境担当者のニーズにも応える。

スマホ画面のイメージ
実証実験のイメージ図

2.今後の展開について

椿本チエインとテス社は、本実証実験を通じてデータ収集と分析を行い、システムの高度化とユーザビリティ向上を図り、2024年度中に本システムの販売開始を目指す。将来的には、企業や商業施設等への展開など、地域全体の再エネ有効活用と電力安定供給するとともに、CO₂排出量削減に貢献する。

著者
Motor Fan illustrated

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