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燃費とハンドリングで差。スズキの未来は明るい:スズキ・スペーシア[福野礼一郎『クルマ論評9』]

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燃費とハンドリングで差。スズキの未来は明るい:スズキ・スペーシア[福野礼一郎『クルマ論評9』]

福野礼一郎さんの単行本『クルマ論評9』をよりお楽しみいただくために、試乗当日の写真を掲載しました。誌面で綴られている雰囲気が伝わりやすくなるでしょうか。単行本をお求めの方にもリンクを用意しておりますので、ぜひお手にとってご覧ください。

スズキ・スペーシア[Suzuki Spacia]
2023年12月26日

[HYBRID X 2WD]
個体 VIN:MK94S-100147
車検証記載車重:880kg(前軸 520kg/後軸 360kg)
試乗車装着タイヤ:ダンロップ ENASAVE EC350+ 155/65-14

[カスタム HYBRID XSターボ 2WD]
個体 VIN:MK54S-100109
車検証記載車重:910kg(前軸 530kg/後軸 380kg)
試乗車装着タイヤ:ヨコハマ BluEarth-ES ES32 165/55-15

(単行本書き出しより)
 ボディサイドにかなりエッジの効いたビードがくっきりプレスされていて、ミリタリー車両のように力強い感じがする。ボディサイドの真っ平ら感は軽自動車の頑強=安全のイメージの泣きどころだから、これはうまい。
 新型スペーシアのスタイリングのモチーフはなんと「海上輸送用コンテナ」なのだという。
 これまで誰も気が付かなかったが、軽自動車トールワゴンの3D立体感は、確かに短いほうのコンテナ(=20フィート)にちょっと似ている。スペーシアの全高は1785mmだから、全長×全幅×全高の比は2.35:1:1.21、対して20フィートコンテナの外法は6058mm×2438mm×2591mm=2.48:1:1.06で、全長:全幅比が若干近い。
 脱線ついでに言えばコンテナ船の大きさは短い方の20フィート・コンテナを何個詰めるかで表示する。いま世界最大のコンテナ船は約2万 5000個積みだ(=2万5000TEU)。
 先月N-BOXに乗ったのは、2023年11月22日に発売されたばかりのこの3代目スペーシアに乗る前に、軽自動車の販売ディフェンディング・チャンピオンの実力を垣間見ておきたかったからだ。N-BOXには「さすがNo.1」と思ったところもあったが「???」と思った部分もなくはなかった。
 クルマの販売はクルマだけでは決まらないのだから、販売No.1がクルマNo.1であるとは限らないのは当然だが、このページの約束ではクルマだけでクルマを決める——

福野礼一郎のクルマ論評9

大好評のMFi連載「福野礼一郎のニューカー二番搾り」を加筆修正し一冊にまとめた単行本「クルマ論評」を2024年も刊行します。今回のテーマ車は日本4/ドイツ4/フランス1/イタリア1/スウェーデン1。軽自動車からスーパーカーまで、いつもの道でいつもの乗り方でじっくり確かめた結果たるや果たしていかに。

 VWでRR! でもなんか微妙に終わってる――フォルクスワーゲン・ID.4
 誰にも会いたくないときは旧友を呼んでみる――日産・GT-R
 乗り心地/乗り味は下手な乗用車よりいい――ホンダ・N-BOX
 燃費とハンドリングで差。スズキの未来は明るい――スズキ・スペーシア
 BEVで褒められるのは常にモーターだけだ――BMW・X1
 ICEとEVのいいとこ取りの代償は2.3tである――メルセデス・ベンツ・Eクラス
 高速安定性と操舵感は出色(→RRのBEV)――ボルボ・EX30
 購入に賛成してくれた後席の家族がかわいそう――ミニ・カントリーマン
 ベンツ/ビーエム1000万クラスを超える快適性+巡航性――ホンダ・アコード
 久々のハンドリング絶賛モード「これはいいクルマ。いいクルマ」――プジョー・408
 見た目に惚れて憧れても大きく裏切られることはない――マセラティ・MC20

 福野礼一郎選定 項目別ベストワースト2024
 ・ 2024年、期待を上回る出来だったクルマもしくはアイテム
 ・ 2024年、期待を下回る出来だったクルマもしくはアイテム
 ・ 2024年、買ってはいけない輸入車
 ・ 2024年クラス別ベスト車
 ・ 2024年部門別ベスト
 ・ ~2024年おおいなる期待はずれと最低のできばえ
 ・ クルマの格言と選びの鉄則
 (青字については行数厳しい場合使わずとも結構です)
 
 福野礼一郎&第一線エンジニアによる現代の視点[ホンダ・NSX]

著者
福野礼一郎
自動車評論家

東京都生まれ。自動車評論家。自動車の特質を慣例や風評に頼らず、材質や構造から冷静に分析し論評。自動車に限らない機械に対する旺盛な知識欲が緻密な取材を呼び、積み重ねてきた経験と相乗し、独自の世界を築くに至っている。著書は『クルマはかくして作られる』シリーズ(二玄社、カーグラフィック)、『スポーツカー論』『人とものの讃歌』(三栄)など多数。

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