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ソウル半導体の車載LED「WICOP」と「SunLike」は自動車デザインの自由度と安全性をどのように向上させるのか|第3回 ネプコンジャパン【秋】-エレクトロニクス開発・実装展-

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ソウル半導体の車載LED「WICOP」と「SunLike」は自動車デザインの自由度と安全性をどのように向上させるのか|第3回 ネプコンジャパン【秋】-エレクトロニクス開発・実装展-

ソウル半導体は約30年にわたりLEDの技術革新に取り組んできた。今回の展示では、車外装用LED「WICOP」の断線リスクを排除した高耐久技術と内装用LED「SunLike」の自然な色合いを再現する高級感溢れる照明技術が注目を集めた。さらに、車の前面ディスプレイ化という新たな挑戦が、自動車のデザインや安全性にどのような変革をもたらすのか、ジャパンソウル半導体株式会社の柏木孝仁氏に話を伺った。

TEXT&PHOTO :中辻タカオ
主催:RX Japan株式会社

「断線リスクを排除し振動に強い」外装用LED「WICOP」

車両の外装で用いられるLEDには、高い信頼性と耐久性が求められる。自動車は、雨や雪、高温、低温など過酷な環境下で使用されるため、特にヘッドランプやテールランプなどの安全性に直結する部品には高い性能が必要である。

ソウル半導体の特徴的な技術として、「WICOP(ワイコップ)」がある。これは、従来のワイヤーボンディング方式を排除し、LEDチップを直接基板に実装する技術だ。ワイヤーボンディング方式では、LEDチップからワイヤーを介して基板に接続されていた。この技術により、ワイヤーの断線リスクをなくし、振動に対する耐性を大幅に向上させた。


「自動車は、道路の凹凸や急ブレーキ、急発進など常に振動にさらされています。従来のワイヤー接続方式振動によってワイヤーが切れるリスクがありましたが、WICOPはその問題を解消しました」と柏木氏は説明する。

また、WICOPの構造は、LEDの寿命を延ばし、メンテナンスコストの削減にも寄与している。LEDの発光寿命は約4万時間であり、毎日10時間使用しても10年以上もつ。さらに、WICOPは小型で多様な形状に対応可能なため、未来的で洗練された車のスタイリングを実現できる。

「LED技術の発展は、車のデザインに新たな可能性を提供できるでしょう」と柏木氏は自信を見せる。

「まるで太陽光のような自然な光」内装用LED「SunLike」

著者
中辻タカオ

ソフトウェア技術者と兼業のライター。
1999年に慶應義塾大学環境情報学部卒、株式会社日立製作所入社。OSの開発やサポートに従事。2019年に日立製作所を退職してからは、ソフトウェアの開発やプログラミング講師、Webライターをしている。仕事の合間にはルービックキューブをいじって頭をリセットさせるのがルーティーン。実は二輪免許に興味がある今日このごろ。

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