ステランティス、EVの空力特性を向上させる革新的な風洞技術に44億円を投資.世界中で販売されるステランティスEVの航続距離拡大に貢献
ステランティスは、世界トップクラスの車両風洞実験施設に2950万ドル(≒44億円)を投資し、Moving Ground Plane(MGP)技術により空気抵抗を低減し、新型EVの航続距離の拡大を目指している。実走行時の空気抵抗の最大10%を占めるホイールとタイヤからの気流抵抗を測定し、低減する能力を導入。EVの空力特性の改善により、潜在的なバッテリーサイズの縮小につながり、車両の効率性とデザインにメリットをもたらす可能性がある。
ステランティスは、ミシガン州オーバーンヒルズにある同社の研究技術センターで、革新的なMGP(Moving Ground Plane)技術を発表した。アップグレードされた風洞は、実走行時の空気抵抗の最大10%を占める可能性があるホイールとタイヤからの気流抵抗を測定し、低減することができる。
電気自動車の航続距離を1回の充電で伸ばすためには、空気力学的な効率を最適化することが極めて重要となる。この強化は、効率の向上に直接貢献し、EVの航続距離の延長という形で顧客にメリットをもたらすとともに、バッテリーサイズの縮小につながり、ひいてはコストと重量の削減にもつながる可能性がある。
同社の革新的な空力音響風洞のアップグレードにより、テスト車両を静止させたまま、実際の走行をシミュレートすることが可能になった。空気で満たされたクッションに吊り下げられたベルトにより、4つの車輪すべてが回転し、5つ目のベルトが車両の下を縦方向に走行することで、路上走行の条件を模倣する。
この新しい施設では、自動化機能も大幅に強化されている。ホイールベースの変更やコースでのテストは、従来の風洞では2時間もかかることがあるが、この新しい施設では数分で完了する。リアルタイムのデータ収集と自動化の強化を組み合わせることで、市場投入までの時間を短縮することができる。