ルネサスとニデック、EV向けイーアスクル「8-in-1」のPoCを開発。EV開発の早期化に貢献
ルネサス エレクトロニクスは11月11日、ニデックと共同で電気自動車(EV)向けE-Axle(イーアクスル)として1個のマイコンで8機能を制御する「8-in-1」のPoC(概念実証)を開発したと発表した。
イーアスクルは、駆動モータ、ギヤ、インバータなどを統合したEV向けユニット。多くの機能を統合することにより、小型化や軽量化、EV設計の簡素化が可能となる。
ルネサスは、8-in-1システムの半導体と電子設計のリファレンスデザインを開発。同デザインをベースとして活用し、各種X-in-1システム向けにターンキー半導体ソリューションを提供していく予定で、ユーザーはすぐにX-in-1システムを導入して評価できるため、EV開発の早期化に貢献する。
PoCは、ニデックのモータ、ギヤに加え、ルネサスが設計した最大効率99%以上を達成する70~100kW出力可能なインバータ、1.5kW出力DC/DCコンバータ、6.6kW充電OBC、配電ユニット(PDU)、バッテリマネジメントシステム(BMS)、PTCヒータ(熱マネジメント)制御の8つの機能が含まれる。
従来のX-in-1の制御には、機能ごとにマイコンとパワーマネジメントIC(PMIC)のペアが必要だが、今回の開発で、8-in-1を1つのマイコンとPMICのみで制御することに成功した。1つのマイコンで全ての機能を制御できるようシステム的に統合することにより、部品点数とコストを大幅に削減し、小型化を実現した。
PoCには、ルネサスの車載制御用32ビットマイコンRH850/U2B、マイコン用PMIC、絶縁ゲートドライバRAJ2930004AGM、インバータ用IGBTモジュール、DC/DCコンバータとOBC用パワーデバイスなどのルネサス製品が含まれている。今回の開発により、ソフトウェアを含めたシステム全体の提案やサポートをワンストップで顧客に提供することが可能となる。