メルセデス・ベンツ、次世代コンセプトCLAクラスの開発を推進。電気自動車の未来に向けたEV用次世代電気駆動ユニットのステップとは。
メルセデス・ベンツは、次世代モデルとなるコンセプトCLAクラスの開発を進めており、テスト車両にて新型モデルの軸となる新世代電気駆動ユニットの実証試験を継続している。新しい駆動系には、メルセデス・ベンツの長年にわたる優れたエンジニアリングが組み込まれており、今後登場する完全電気自動車のMMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー)モデルの電気駆動ユニット(EDU 2.0)は、メルセデス・ベンツの次世代電気駆動ユニットの最初のモデルとなる。
駆動系と効率性
メルセデス・ベンツが製造する新たなMMAモデルの電気駆動ユニットは、コンパクトクラスに800ボルトシステムとシリコンカーバイド(SiC)インバーターを搭載した「VISION EQXX」の駆動技術を内包している。コンパクトな200 kW電気駆動ユニットは、リアアクスルに永久磁石同期モーター(PSM)を搭載しており、メルセデス・ベンツで自社開発されたものだ。高性能パワーエレクトロニクスには、エネルギー利用を特に効率的に行うためのSiCインバーターを搭載。さらに、4MATICモデルにはフロントアクスルに80 kWの駆動ユニットが搭載されており、こちらにもSiCインバーターが装備されている。
充電とバッテリー
コンセプトCLAクラスで実証された電気駆動は、WLTPモードで750キロメートル以上の航続距離が目指されている。長距離走行時のバッテリーからホイールへの効率は93%を誇り、エネルギーロスが少なく実走行でも優れた航続距離を実現する。リアアクスルには2速ギアボックスが搭載され、効率性とダイナミックな性能を併せ持つ。
メルセデス・ベンツは今回初めて800ボルトの電気アーキテクチャを採用した。プレミアムバージョンのバッテリーと組み合わせることで、最大320kWの高出力DC充電が実現され、最大300キロメートルの航続距離に相当する。
MMAモデルでは、2種類の異なるセル化学物質を使用したバッテリーが選択できる。プレミアムバージョンのセルは、使用可能なエネルギー量が85 kWhで、負極に酸化ケイ素が添加されたグラファイトを使用しています。従来のグラファイト負極を使用した従来型バッテリーと比較すると、重量エネルギー密度は最大20%向上している。
車両の安全性
バッテリーハウジングは車両構造の一部であり、衝突コンセプトに統合されている。バッテリー、高電圧(HV)ケーブル、その他のHVコンポーネントは、事故発生時のメルセデス・ベンツの厳しい安全要件を満たすように設計および保護されている。
また、時間効率にも重視されており、CLAの量産型に近いプロトタイプがすでに素晴らしい記録を達成している。イタリア南部のナルドにて、先行量産モデルが24時間で正確に3,717キロを走行した。
48ボルトハイブリッド
CLAは、電気自動車モデルの発売直後に、48ボルト技術と最大20kW1の駆動力を備えた電気モーターを搭載したハイブリッド車として発売される。エネルギー回生と市街地での全電気駆動機能により、この駆動系は特に効率的で、さらに、時速約100kmまでの速度域では、電気による惰性走行も可能だ。
電気モーターとインバーターは、新しい電動8速デュアルクラッチトランスミッション(8F-eDCT)に統合されている。燃焼エンジンは、新しいFAME(ファミリー・オブ・モジュラー・エンジン)4気筒ガソリンエンジンです。 ハイブリッドは、当初は100、120、140kWの3種類の出力レベルで提供される。