パナソニック オートモーティブシステムズの車載ワイヤレス充電器の累計出荷台数が1,000万台を突破。国内外の自動車モデル90車種以上に採用
パナソニック オートモーティブシステムズは、同社が製造・販売する、スマートフォン向け車載ワイヤレス充電器の出荷台数がグローバルで1,000万台を突破したことを発表した。同社の製品は、独自のムービングコイル技術により、車両走行時に発生する振動によるスマートフォンの位置ずれに対応することで高効率な充電を実現し、多くのユーザーから好評を集めている。本製品は、国内外の自動車モデル90車種以上に採用されている。
2010年にワイヤレス給電の国際標準規格「Qi(チー)」規格が策定され、パナソニック オートモーティブシステムズは、携帯電話、充電、電池、車載の技術や知見を有する車載機器メーカーとして、Qi規格に対応した車載ワイヤレス充電器を開発。2013年、初号機が初の国内向けライン純正商品として自動車メーカーに採用された。
具体的には、パナソニックグループの総合力を集結し、発熱対策等の安全確保への車載基準についての課題を解決するとともに、車載純正CD/DVDデッキで培った光ピックアップ技術を活用した、充電位置決めの精度を高めるムービングコイル方式を実現。2013年12月、独自のムービングコイルを搭載した初号機を量産し、自動車メーカーへの納入が開始された。
その後、デバイスの薄型・軽量・小型化や急速充電機能の向上が図られ、2021年1月には、振動による位置ずれに対する充電範囲のカバー率を高めた2軸のムービングコイル方式を採用したモデルが開発された。これを機に採用車種を拡大して、2021年度には累計出荷台数が500万台を突破した。
また、2023年7月にQi規格のver1.3.2に対応するモデルが製品化された。独自の充電アルゴリズムを採用することで、スマートフォンケースの使用を想定した厚みへ対応し、大型スマートフォンやカバー装着時でも高効率な充電が可能となった。
この技術革新と世界的なQi規格採用の高まりを背景に、2024年7月には累計出荷台数が1,000万台を突破している。現在では日本、メキシコ2拠点、チェコ、中国、タイの計6拠点を構え、国内外の自動車モデル90車種以上に採用されている。