ルノーと日産、新たな投資と新型車を含むインド事業を発表
ルノーと日産は13日、インドにおける新たな長期ビジョンを発表した。生産と研究開発を強化し電気自動車(EV)を投入しるとともに、カーボンニュートラルな生産体制を敷く。両社はチェンナイを拠点に国内外の顧客向けに2車種の新型EVを含む新型車6モデルを共同開発し、国際的な輸出ハブへと発展させていくという。
この新規プロジェクトのために、約6億USドル(約530億インドルピー)の初期投資を計画。さらにチェンナイのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社(RNTBCI)では、最大で2,000人の雇用を創出する見込みだ。ルノー日産オートモーティブインディア社(RNAIPL)の工場は、再生可能エネルギーによる発電量を大幅に増やすことで、カーボンニュートラル化を目指すという。
日産のAMIEO(アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア)マネジメントコミッティ議長であるギョーム カルティエ氏は、次のように述べている。
「ルノーと日産はインド市場への取り組みを強化します。インド市場の電動化を推進し、環境への影響を最小限に抑えていきます。インドは初のアライアンス工場が竣工した地です。新型車や新しい研究開発の取り組み、新しい輸出市場を通じて共同事業を次のレベルへと引き上げ、アライアンスの新しい章の中心的な役割を果たしていきます。インドにおける日産のラインアップにSUVとEVが加わることで、従業員、お客さま、地域社会により大きな価値をもたらします」
ルノー・グループのインターナショナル・デベロップメント・パートナーシップ担当SVPでアライアンス共同購買組織(APO)のマネージング・ダイレクターを兼ねるフランソワ プロボ氏は、次のように述べている。
「インドはルノー・グループにとって重要な市場です。過去14年間、私たちはディーラーなどと共にルノー・ブランドを発展させ、年間10万台を販売するまでになりました。研究開発においても、インドは重要な役割を担っています。今回の日産とのプロジェクトは、2月6日に発表した新しいアライアンスの構想のうち、内容を具体化した最初の取り組みです」
また、タミル・ナドゥ州政府商工次官の Sクリシュナン氏は、
「ルノーと日産は、15年以上前からタミル・ナドゥ州に生産・設計拠点を有しています。同州では約15,000人を直接雇用しており、タミル・ナドゥ州がインド自動車産業の中心地であり続けるための柱の一つとなっています。アライアンスがタミル・ナドゥ州において近代化を進め、新たな投資を行うという提案をしたことに、非常に興奮しています」
と語った。
新しいセグメントへ新型車を投入
両社3車種ずつで合計6車種となる新型車は、チェンナイで設計・生産される予定。アライアンス共通のプラットフォームを採用しながらも、各ブランドの個性を明確にした特徴的なデザインを採用する予定だ。
新型車には、新しい4車種のCセグメントSUVが含まれる。また、ルノーと日産にとってインドにおける初のEVとなる2車種のAセグメントEVは、10年以上前に「日産リーフ」とルノー「ゾエ」が切り拓いたグローバル量産型EVの専門知識を生かして開発されるという。
チェンナイにおけるルノー・日産の国際ハブ
新型車はインドからの輸出も大幅に増加させることになる。RNAIPL工場の稼働率を80%まで高め、今後何年にもわたって数千人の雇用を確保する。
また、この増産を補完するため、RNTBCIでは研究開発および関連業務の拡大が見込まれている。チェンナイ近郊の拠点で、最大2,000名の新規雇用を創出する見込みだ。
カーボンニュートラルなクルマづくりへのロードマップ
また、アライアンスにおけるエネルギーや資源使用量を削減する主要拠点のひとつであるRNAIPL工場は、カーボンニュートラルへ向けたロードマップを発表。現在進行中の再生可能エネルギー使用量100%へ移行するプログラムで、2045年までに達成する予定だ。同時に工場でのエネルギー消費量も現在より50%削減する予定である。
チェンナイ工場では電力の50%以上を太陽光、バイオマス、風力などの再生可能エネルギーで賄っている。太陽光発電は現在の6倍以上の規模となり、発電量は2.2MWから14MWへと拡大される。
パートナーシップの再構築
ルノーと日産は、インド市場に対する新たなコミットメントとして、両社の共同事業における株式保有比率を見直した。新しい枠組み合意により、RNAIPLは、日産51%:ルノー49%の出資比率となり、RNTBCIの出資比率は、ルノー51%:日産49%となる。 この結果、長期的なパートナーシップが強化され、各社がより責任と自律性を持って事業運営が可能となった。