狭路での協調行動を可能にする自動運転技術を開発…日立アステモ
渋滞の解消・緩和や高齢者など交通弱者の移動支援といった社会的な課題解決に向け、自動運転へのニーズが更に高まっている。
一般道における自動運転の実用化には、歩行者等の移動体による複雑な挙動や物陰からの飛び出し等のリスクを予測して事前に危険を回避したり、自動運転化されていない車両と混在した環境でもスムーズに走行したりできるようにする必要がある。そのため、LiDARやステレオカメラなどの3Dセンシング情報に基づいた安全な走行軌道計画と車両走行制御が求められる。
同社はこれまで、一般道での自動運転において、歩行者等の行動変化を予測し安全かつ自然な減速を行うことで衝突を防止する基本技術を開発してきた。さらに、人間が行う運転のように、他の移動体の挙動や物陰からの飛び出し等、潜在的に衝突リスクの高い領域を予測し予め危険を回避できる速度や軌道で走行する危険予知・回避運転技術を開発（※1）している。
今回開発した自動運転技術では、LiDARなどによるセンシングで得た三次元情報を統合。車両周辺の走行環境を立体的に認識するとともに、検知したフリースペースや対向車の挙動から進行意図を理解して経路予測を行う。対向車と協調した、狭路でのスムーズなすれ違い自動運転を可能とした。
将来的には、2023年3月から販売されている汎用性を高めた高精度な新型ステレオカメラとの連携を視野に入れているとしている。このカメラは、遠方検知と広い画角を両立させるだけでなく、予め機械学習で識別パターンを記憶させることで、高精度で歩行者や自転車を検知し測距を可能とする。特に交差点右左折時の衝突防止に貢献するという（※2）。
さらに、同社のAI技術や認識技術を生かすことで、コスト競争力のある電子制御ユニット上で高度な画像認知や車両制御ができるソフトウェア処理を実現している。これを新型ステレオカメラと連携させることで、狭路での協調行動を可能とする自動運転技術のコスト競争力を高めるとしている。
