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欧州が「インチキ科学」と呼ぶ 「CO2地球温暖化説への反論」

牧野茂雄の「車交箪笥」しゃこうだんす vol.2

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欧州が「インチキ科学」と呼ぶ 「CO2地球温暖化説への反論」
(PHOTO:Shutterstock)

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もうかれこれ40年以上、自動車を取材してきたから、
結構なネットワークを持つことができた。
あちこち掘って、あちこち探ったネタを、
私個人の分析と私の価値観でお届けします。
TEXT:牧野茂雄(Shigeo MAKINO)

CO2(二酸化炭素)が地球温暖化の原因だ——。世の中では、多くの人がこう信じている。季節外れの大雨や巨大台風襲来があると、ニュースキャスターが「気候変動」「温暖化」という話を持ち出す。筆者もその昔はこの説を信じていた。信じていたからいろいろと取材をした。ところが、取材をしているうちに「これは立証されていない説」だということを知り、しかも意図的なデータ操作が行われていることも知った。「いまさら検証しても遅い。世の中は動いてしまった」と聞いたのは2017年。CO2温暖化説に異議を唱えると「インチキ科学」と言われるようになった。

人為的なCO2排出が地球温暖化の原因だという説の根拠は、計算モデルを用いたシミュレーション結果である、どんなモデルを使うかは研究者によって異なるが、「地表基礎温暖化=1.3℃」が共通した前提だ。

これは米プリンストン大学地球流体力学研究所の在籍中の真鍋淑郎氏が1960年代後期に発表した論文に示されたシミュレーション結果であり、大気中CO2濃度が産業革命前の300ppmから600ppmに増えると「CO2分子が熱を溜め込んで地表と対流圏が均一に1.3℃基礎温暖化する」というものだった。

ちなみにWDCGG(世界温室効果ガス資料センター)のデータでは2021年の世界平均濃度は415.7ppmである。日本では家庭や工場などの影響を受けない綾里、南鳥島、与那国島がCO2観測点だ。この3地点でも計測データに差はあるが、傾向は一致している。ただし、世界共通の傾向として陸上で植物が成長する春〜夏はCO2濃度が減少し、陸地の多い北半球でこの傾向が顕著に出る。

真鍋氏のシミュレーション結果には1970年代から賛否両論があり、決定的な謝りも指摘された。1979年にMIT(マサチューセッツ工科大学)のR・ニューエル氏が最新の観測データから「地表基礎温暖化は0.003℃」「気候感度0.24℃」と計算し、翌年には米国水資源保存研究所が「気候感度0.26℃以下」と発表した。

しかし、1998年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設立されて以降は「地表基礎温暖化1.3℃」が大前提となり、反論はことごとく無視された。気候変動関連の論文はかなり多く、人工衛星などを使った正確な観測データをシミュレーションに使うことで「地表基礎温暖化は1.3℃」の誤りはなんども指摘されたが、メディアは声の大きいIPCCの宣伝だけを報じてきた。

著者
牧野 茂雄
テクニカルライター

1958年東京生まれ。新聞記者、雑誌編集長を経てフリーに。技術解説から企業経営、行政まで幅広く自動車産業界を取材してきた。中国やシンガポールなどの海外媒体にも寄稿。オーディオ誌「ステレオ時代」主筆としとてオーディオ・音楽関係の執筆にも携わる。

牧野茂雄の「車交箪笥」しゃこうだんす

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