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TECHNOLOGY

「3Dプリンターで車をつくる」の現実味。有用性はいかに?

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「3Dプリンターで車をつくる」の現実味。有用性はいかに?

3Dプリンティング技術を用いた車の未来が現実味を帯びてきた。技術自体は以前から各社が導入を始めていたが、製品化にはなかなか至らず、主に試作品の開発時に使用されていた。しかし、技術開発が進んだことによって、近年では実際の製品にも用いられるようになり、大手自動車メーカー各社によって幅広い方法で活用されている。

活用はパーツやタイヤなどが中心

立体物を自由に造形できる3Dプリンターでは、樹脂や石膏、金属など、さまざまな素材を利用して複雑な形状をした部品を製造することが可能だ。

この特性を活かし、大手自動車メーカーは自動車に組み込む部品だけではなく、作業で利用する工具や治具、備品など、幅広い用途で3Dプリンティング技術を活用している。

トヨタ自動車:生産終了パーツの復刻

トヨタ自動車では、生産が終了した廃盤パーツを復刻・販売するプロジェクト「GRヘリテージパーツ」を展開している。

トヨタ2000GTをはじめ、A70スープラやA80スープラ、AE86など、トヨタ自動車を代表する名車が対象で、新品で入手できない旧式の純正パーツは、3Dプリンターの技術を活用して製造することで、思い出の詰まった愛車に長く乗り続けたいと願うユーザーのニーズに寄り添う。

トヨタに限らず、自動車メーカーではモデルチェンジして生産終了となった車両の金型の管理や、スペアパーツの保管などはコスト的な負担からこれまでは実現が難しかった。しかし、3Dプリンターであれば任意のタイミングで従来のパーツを必要な分だけ製造できるため、管理・保管にかかるコストを大幅に削減することができる。

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