トヨタ、新型「クラウンセダン」を発表。クラウン初となるFCEVも用意
トヨタ自動車は11月2日、新型「クラウンセダン」を発表した。同日より注文の受付を開始し、11月13日の発売を予定している。
クラウンは1955年に初代モデルが発表されたトヨタを代表するロングセラー車種。トヨタは2022年7月に16代目となる新型クラウン4種「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」を発表した。第1弾として2022年9月にセダンとSUVが融合したクロスオーバー、第2弾として2023年10月にSUVタイプのスポーツの受注を開始。今回のクラウンセダンは第3弾となる。
ショーファーニーズにも対応できる「正統派セダン」を再定義する新スタイルで、パーソナルにもビジネスにも応える「ニューフォーマル」という新たな価値観に挑戦し、「セダン再発見」を感じさせるクルマを目指したという。
外装デザインは、鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と、縦基調のパターンを施した大型台形グリルの「アンダープライオリティ」を組み合わせ、トヨタのフラッグシップとしての存在感を際立たせたという。内装は、大型の杢目調パネルを採用して落ち着きのある室内空間を目指した。後部シートは、ホイールベースを3メートルに設定することで後席にゆとりを持たせ、足元のスペースを広くした。
パワートレーンは、ハイブリッド車(HEV)と、CO2を排出しない燃料電池自動車(FCEV)の2種類を用意。
HEVは、新開発の「2.5L マルチステージハイブリッドシステム」をトヨタとして初めて搭載した。エンジンと2つのモーターに加え、有段ギアを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現した。従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hからだったが、同システムでは約43km/hから使用可能になった。高速走行時でもエンジン回転数を低く抑え、低燃費で静かな走りを可能にするなど、排気量をダウンサイジングしながら、力強い動力性能と燃費性能を両立している。
FCEVは、トヨタのFRセダン「MIRAI(ミライ)」と同じFCシステムを採用。3本の高圧水素タンクと燃料電池などを搭載し、1回あたり約3分の水素充填で約820キロメートル走行できる。
価格は、HEVが730万円、FCEVが830万円。販売台数は月販600台を見込んでいる。