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デンソーら7社、幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証実験で物流2024年問題への有効性を確認

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デンソーら7社、幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証実験で物流2024年問題への有効性を確認

デンソーら7社は11月17日、合同で実施した荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験について、実証結果を公表した。

同実証実験は、7月10日から14日まで、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点として、関東・関西間で実施したもので、デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業が参画した。

ドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われるかなど、社会実装に向けた課題の抽出を行った。

1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証のほか、中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証、スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認、複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証などを行った。

実証実験では、2024年4月から適用を開始する「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を順守しながら、ドライバーが中継輸送をせずに、関東・関西間を往復する場合のドライバー数・所要時間・CO2排出量で検証。実証実験の結果、SLOCが物流業界における人手不足や長時間労働といった「2024年問題」の解決に有効な手段の一つであること、そしてCO2排出量を削減し環境負荷低減にも貢献することを確認した。

詳しい結果は以下の通り:

1.人手不足、長時間労働について
・ SLOCを活用しない場合に比べ、ドライバー数を12名から7名に削減でき、人手不足解消に貢献
・ 運行にかかる所要時間が、最大約30%削減(大阪府吹田市~神奈川県横浜市において、17時間から12時間17分に削減)、ドライバーの労働時間削減に貢献

2.環境負荷について
・ 運行にかかる所要時間が削減されることで、CO2排出量を855トンから461トンに削減(46%減)

3.運用について
・ 荷主企業5社と運送協力会社6社による1日6便の運行スケジュールをほぼ計画通り実施できることを確認
・ 使いやすいUI(ユーザーインターフェイス)を取り入れた、デンソー開発によるコンテナ管理システムを導入し、中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行われたことを確認
・ 複数荷主による貨物の混載について、荷主間の役割分担・責任区分を明確にし、輸送することができた

実証実験におけるスワップボディコンテナ交換の様子
実証実験におけるスワップボディコンテナ交換の様子

実運用では、ルートや荷量・荷物の種類などさまざまな条件が、天候や需給によって変動する。今後、SLOCの社会実装に向けて、手順やルールを標準化するなど安定運用が可能な仕組みへと進化させ、混載・共同輸送にも適応するために、さらに検証を進めていくとしている。

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