Arm「AI対応自動車の開発を最大2年短縮する」と発表|次世代AEプロセッサー、オートモーティブ向け仮想プロトタイピングの活用で自動車産業の未来が加速する
Armは2024年3月14日、Armとエコシステムによる業界初の取り組みとして、AI対応自動車向けプロセッサ「Arm Automotive Enhanced(AE)」とオートモーティブ向けのバーチャルプラットフォームを発表した。また、2025年に提供予定の「Arm CSS for Automotive」により、さらなる開発時間とコストの低減が期待される。これによりArmは「AI対応自動車の開発を最大2年短縮する」と公言した。
TEXT:小松暁子
Arm「AI対応自動車の開発を最大2年短縮する」最新テクノロジーとは
英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、2024年3月14日、AI対応自動車の開発を最大2年短縮する、最新のオートモーティブ向けテクノロジーを発表した。
▼発表概要は以下の通り (ニュースリリースより抜粋)
1.Arm Automotive Enhanced(AE)プロセッサによりAI主導型のユースケース向けに最先端のArmv9ベースおよびサーバークラスの性能を実現
2.将来提供されるオートモーティブ向け「Arm Compute Subsystem(CSS)」は開発時間とコストをさらに低減し、高性能の車載システム開発に最大限の柔軟性を提供
3.今回初となるオートモーティブ市場向けのバーチャルプロとタイピング・ソリューションにより、Armのエコシステムは物理チップの完成を待つことなくソフトウェア開発に着手でき、開発期間を最大2年短縮可能に
Arm株式会社代表取締役社長、横谷崇幸(よこやま たかゆき)氏は冒頭挨拶で「オートモーティブ事業を進める上で、製品開発や市場投入までの時間短縮がカギ。今回紹介する、最先端のバーチャルプラットフォームとソフトウェアソリューション、Arm Automotive Enhanced(AE)の採用により開発の前倒しが実現。およそ2年の開発時間短縮が期待できます。また、従来ではAIやデータセンター向けのCompute Subsystems(CSS)を、今回初めて自動車向けのロードマップとして紹介することになりました(Arm CSS for Automotive)。どうかArmのソリューションに期待いただきたい。」と力強く述べた。
今回の発表のために来日した、Armのオートモーティブ事業部門の製品・ソフトウェア・ソリューション担当バイスプレジデントSuraj Gajendra(スラジ・ガジェンドラ)氏も、「オートモーティブ市場には新しいアプローチが必要。そして、日々進化する技術やそれに伴う課題も複雑になっており、さらには供給スピードも年々加速しています。Armは、自動車市場に携わって30年を超える歴史があり、安全性・信頼性ともに積み上げて参りました。今回、開発・市場投入までの時間を短縮するための新しい自動車技術とCompute Subsystemのロードマップを発表できることを大変嬉しくおもいます。」と語った。