デンソー、PHEV用インバーターや前方広角画像センサーなどを展示｜人とくるまのテクノロジー展2024

展示概要

同社が「モビリティ社会のTier1」へと進化するために取り組んでいる3つのチャレンジ「モビリティの進化」「新価値創造」「基盤技術の強化」に関わる各種技術と製品を展示する。「モビリティの進化」では電動化・ADAS領域の技術開発、「新価値創造」ではエネルギーとサーキュラーエコノミーの領域における取り組み、「基盤技術の強化」では半導体とソフトウェアの強化の取り組みを紹介する。

1．モビリティの進化～電動化・ADAS領域の技術開発

PHEV用インバーター

車室空間拡大と燃費性能向上の実現のため、新規技術開発により性能を向上した、インバーター内の電圧を昇圧するリアクトルや電圧を一定に保つコンデンサー、両面積層冷却器などの内部部品を展示する。

eVTOL用e-モーター

ステーターとローターを組み合わせたElectric Vertical Take-Off and Landing aircraft（eVTOL）専用電動モーター。空のモビリティに搭載するために開発し、軽量材料の活用と冷却性能の向上により軽量化を実現。

「Global Safety Package 3」 前方広角画像センサー

車両の周辺環境を認識し、安全性能向上に貢献する「Global Safety Package 3」の前方広角画像センサー。交差点などでの歩行者・自転車の飛び出し事故防止のため、検知角度を128度（※1）に広角化し、道路脇から飛び出す対象物を早期検知できる。

2．新価値創造～エネルギーとサーキュラーエコノミーの領域における取り組み

水電解装置「SOEC」

次世代の高効率水素製造システム「SOEC」（※2）は、車載部品の制御技術や熱マネジメント技術、セラミック技術などを応用し、水を効率よく電気分解して水素を作り出す装置。

バッテリーパスポートに向けたトレーサビリティ技術

QRコード（※3）とブロックチェーン技術を活用し、車載バッテリーのライフサイクル全体を通じて個体情報を安全に管理するバッテリーパスポートシステム。欧州電池規則に基づき要求される車載バッテリーの製品情報・材料情報・性能情報などの各構成要素データをデジタルデータで記録し、サプライチェーン間で安全なデータ連携を可能にするシステム構築を開発している。

CO2回収システム

自動車工場などから排出される低濃度CO2を低エネルギーで回収する技術について、主催者展示コーナーに展示する。

3．基盤技術強化～半導体・ソフトウェアの強化

車載半導体

電動車用インバーターに搭載されているSiの300㎜大口径ウエハーとSiCチップを展示。過酷な自動車環境に適応する独自の半導体プロセスと自動車動向をとらえた製品企画、電力損失を低減するSiCパワー半導体を提案する。

ソフトウェア・ディファインド・ビークル（SDV）

SDV実現のため、新たなユーザーエクスペリエンス（UX）に基づいた新価値創出と、市場データを学習し車両の継続的な価値向上を可能にするデブオプス（DevOps）について展示する。

Career Innovation Program（CIP）

CIPは、ソフトウェア技術者に向けた独自のキャリア開発支援プログラム。「ソムリエ認定制度」「リカレントプログラム」「アサインプロセス」「バディ制度」の4つで構成され、今回は必要な知識を獲得する「ソムリエ認定制度」を紹介する。

※1：検知角度は同社測定による
※2：Solid Oxide Electrolysis Cell：固体酸化物形水電解装置
※3：デンソーウェーブの登録商標

人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA