イノプレート、燃料電池用バイポーラプレートの量産化本格始動。2030年までに5000万枚へ生産能力増強
シェフラーとシンビオによる合弁会社であるイノプレートは6月6日、フランス・アグノーに新設した燃料電池用バイポーラプレート(BPP)生産拠点を正式に開所し、バイポーラプレートの量産化に向けた本格的な取り組みを始動した。
バイポーラプレートは、燃料電池技術において戦略上重要なコンポーネント。シェフラーとシンビオは、共同でイノプレートを設立することで、燃料電池用次世代金属製バイポーラプレートの量産化と、クリーン水素モビリティの普及を支援する取り組みを効果的に進めている。
イノプレートは、固体高分子形(PEM)燃料電池市場向けに次世代バイポーラプレートの生産加速化を目指しており、それによって顧客の燃料電池システムの性能、生産能力やコスト競争力を高める。
シェフラーは鉄鋼加工やコーティングなどの分野における知見と製造技術を、シンビオは燃料電池の設計・製造面におけるノウハウをそれぞれ提供。イノプレートは2024年第1四半期に生産を開始しており、その製品はシンビオの燃料電池システムで既に使用されている。
イノプレート工場は、ドイツとの国境に近いフランスのアグノーに位置し、現時点でのバイポーラプレートの生産能力は年間400万枚。2030年までに年間5,000万枚に増強する計画で、欧州での水素モビリティの普及拡大に貢献する。欧州大陸でバイポーラプレートが大量生産されるのは初めて。
イノプレート工場のプロジェクトは投資計画「フランス2030」の支援を受けており、2030年までに120人の雇用を創出する。最高水準のサステナビリティ基準に準拠して建設されており、ネットゼロエミッション化の実現を目指す。