パナソニック エナジー、リチウムイオン電池用途に最適化したニッケル鉱加工新技術の確立に向け、豪州CSIROと共同研究を開始
パナソニック エナジーは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization、以下 CSIRO)と、リチウムイオン電池製造に欠かせない原料であるニッケルに関して、新たなニッケル鉱加工技術の開発を目的とした共同開発に関する契約を締結したことを発表した。本連携により、将来的なオーストラリア産のニッケル資源の活用ならびに低コスト・低環境負荷の新規原料の創出およびサプライチェーンの構築が目指される。
現在のグローバル市場において、ニッケルの生産量はインドネシアなどの国々がリードしている一方、ニッケル鉱の埋蔵量に関してオーストラリアは世界第2位を誇る。今後需要が拡大するリチウムイオン電池の製造において、特に高容量電池向けの正極材の原料として欠かせないニッケルを低環境負荷のプロセスで生産することは重要であり、電池用途を中心としたニッケルの利用拡大においてオーストラリアは非常に重要な役割を担うことが期待されている。
CSIRO は、オーストラリアの総合研究機関であり、産業化を見据えた技術開発に強みを有し、農業、環境、情報通信、保健、材料、製造、鉱物、エネルギー等の広範囲の技術開発に取り組んでいる。資源大国であるオーストラリアの国立研究機関のため、特に鉱物に関する研究・技術開発においては業界をリードしている。今回の共同開発では、CSIRO の有する鉱物加工に関する知見と、パナソニック エナジーが有する電池材料に関する知見を組み合わせることで、電池用途に最適な新たなニッケル鉱加工技術を開発し、オーストラリアでのニッケル産業の更なる拡大を図ると共に、同社の将来の生産拡大に向けた高品位のニッ
ケル資源の確保が目指される。