ルネサス、米アルティウムの買収を完了。電子機器の設計と開発を加速
ルネサス エレクトロニクスと米国のソフトウェア企業・Altium(アルティウム)は8月1日、ルネサスによるアルティウムの買収が完了したことを発表した。
買収の完了により、両社は「電子機器設計・ライフサイクルマネジメントプラットフォーム(Electronics system design and lifecycle management platform)」の構築に向けて基盤を整える。このプラットフォームは、さまざまな電子機器設計データと機能の統合・標準化を実現し、コンポーネントのライフサイクル管理を強化するとともに、シームレスな設計プロセスのイテレーション(設計サイクルの反復)を可能にすることで、生産性の向上に寄与する。これにより、大幅に開発リソースを削減して効率化を進められることとなり、イノベーションが加速され、設計者が参入しやすくなる。
今後、アルティウムはルネサスの完全子会社となり、アルティウムのCEO、Aram Mirkazemi氏は、ルネサスの執行役員 兼ソフトウェア&デジタライゼーション ヘッドに就任した。同氏は、引き続きアルティウムのCEOも兼任する。
今回の買収は、豪州法に基づくScheme of Arrangement(スキーム)により、同日実行された。同スキームに基づき、ルネサスの間接的な完全子会社であるRenesas Electronics NSWが、アルティウムの発行済株式の全てを1株当たり現金68.50豪ドルで取得し、株式取得対価の総額は約91億豪ドル(約8,879億円)となった(※)。
ルネサスは買収資金を銀行融資で調達。同スキームの実行に伴い、アルティウムの普通株式は、2024年7月19日の豪州証券取引所の取引終了時を以て、豪取引所での取引が停止された。アルティウムは、2024年8月2日の豪取引所の取引終了時を以て、豪取引所の上場リストから削除される。
※円換算値は、同買収の発表日前日(2024年2月14日)時点の為替レート(1豪ドル97円)を使用して計算