東芝ら、中古EVの電池状態診断の実証事業を開始。業界初となる評価指標の確立目指す
EVは「脱炭素化」の主役として温室効果ガスの削減目標に向けて世界的に急速な市場拡大が予想される。中古EV市場もこれに伴い成長が見込まれているが、中古EVの電池状態は評価が難しいという課題がある。
同プロジェクトでは電池の残容量に加え、電気化学に基づいた指標を用いて電池の内部状態を可視化し、業界初(※)となる劣化度を定量的に判断する指標の確立を目指している。
3社は、東芝が保有する電池劣化診断技術を用いて、2022年4月から短時間での電池測定・診断方法の確立に取り組んできた。2次電池の安全性や寿命をAIにより非破壊で診断するサービスを展開している電知の技術協力のもと、短時間での正確な診断を実現する測定器の小型化に向けた技術を開発。フィールドテストを実施し、市場導入に向けた要件定義と仮説検証を重ねてきた。
今回、試作版を完成させたことで、実用に向けた市場実装を見据えたPoC(概念実証)を実施する。同プロジェクトでは、ディーラーでの電池診断結果を、ファブリカコミュニケーションズが運営する中古自動車販売サイト「車選びドットコム」に掲載することで、購入者に信頼性の高い情報を提供。中古EV市場の取引活性化と信頼性向上を推進する。
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今後半年間にわたり、診断装置を用いて中古EVの電池状態を計測し、継続的に販売サイトへ掲載し、実用性を検証する。
※ファブリカコミュニケーションズ、丸紅プラックス、東芝調べ