三菱ふそう、EVトラック「eキャンター」をシンガポールで発売
三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は9月25日、シンガポールで、電気自動車(EV)の小型トラック「eCanter(eキャンター)」の販売を開始し、初号車1台を現地の顧客に納車したと発表した。
シンガポールは東南アジア地域で最大規模の空港貨物センターがあり、グローバルな物流ハブとなっている。
シンガポール政府は2040年までに国内の道路を走行する全ての車両をクリーンエネルギー車に転換する目標を掲げている。政府が掲げる環境行動計画「シンガポール・グリーンプラン2030」では、2030年までに6万カ所の充電スポットを設置するなど、EV普及に向けたロードマップが策定されている。
eキャンターは、MFTBCが2017年に発売した日本初の量産型電気小型トラック(バッテリーEVトラック)。2023年3月にフルモデルチェンジした新型モデルは、日本のほか欧州31市場やオセアニア地域に加え、インドネシアや台湾といったアジア地域および中東・南米など、海外市場への展開を進めている。
電気駆動のため振動や騒音が少なく、運転操作もしやすい特性から、都市内輸送などに適しているのが特徴。ドライバー注意監視システム「アクティブ・アテンション・アシスト」、巻き込み防止装置「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」、走行中および停車中の車両や歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキ「Active Brake Assist 5(ABA5)」などの先進安全機能を備えており、道路利用者の安全も確保する。
シンガポールでは、車両総重量(GVW)5トンから8.55トンまでの4種類のバリエーションを展開。ホイールベースは2.5メートルから4.45メートルまでのサイズを選択でき、最大容量124kWhのS、M、Lサイズのバッテリーを搭載できる。普通充電では一晩でフル充電ができ、顧客の配送センターなどに設置された急速充電器では2時間以内(※)で充電が完了する。
シンガポールで40年以上にわたりFUSO車両の正規代理店を務めるGoldbell Engineeringを通じて販売。FUSOの小型トラック「キャンター」、中型トラック「ファイター」、大型トラック「スーパーグレート」もシンガポールで販売されており、これらの車両はMFTBCの川崎工場で生産し、完成車としてシンガポールに輸出している。
※充電時間は充電器により異なる。実際のバッテリーの温度や残量などにより変動する。