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スバル、コンセプトカーの部品製造にHPの3Dプリンティングソリューションを採用。金型不要でパーツを造形

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スバル、コンセプトカーの部品製造にHPの3Dプリンティングソリューションを採用。金型不要でパーツを造形

日本HPは10月22日、SUBARU(スバル)のコンセプトカー「LEGACY OUTBACK BOOSTGEAR PACKAGE(レガシィ アウトバック ブーストギア パッケージ)」の部品製造に、「Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」が採用されたと発表した。

HPは、170カ国以上で事業を展開している企業。幅広いデバイスやサービス、サブスクリプションを、パーソナルコンピューティング・プリンティング・3Dプリンティング・ハイブリッドワーク・ゲーミングなどのさまざまな分野で提供している。

レガシィ アウトバック ブーストギア パッケージは、1月に開催された東京オートサロン2024に出展したスバルのコンセプトカー。

コンセプトカーの部品を新開発する際、専用の型を作らなければならず、型抜き方向も考慮しなければならないため、デザインが制限されるのが一般的で、カスタマイズや少量多品種の部品開発がしにくいという課題がある。新部品の将来的な実装を想定し、強度や量産性を両立する製造方法として、HP独自のMulti Jet Fusionテクノロジーを搭載した、Jet Fusion 3Dプリンティングソリューションを採用することで金型が不要となり、造形の自由度を高めた。

部品は、スバルとDMM.comの3Dプリント事業部「DMM.make 3Dプリント」が共同で開発・製造した。材料は、耐熱性・耐候性の面で希望物性を満たし、強度も持ち合わせている「HP 3D High Reusability PA12(ナイロン12)」を採用。オーバーフェンダーに着脱可能な4種類の部品を製造した。

磁石が組み込まれ、工具やキッチンツールなどを付けられる部品
スマートフォンを差し込むとスピーカーになり、車外で音楽が聞ける部品
型抜き方向などの制約がない3Dプリンティングの特性を生かした形状のハンガー
車の鍵を一時的に入れておける鍵付きロッカー

金型を使った部品開発では、工場で製造した部品の在庫管理のほか、輸送によるコストやCO2排出などの課題があるが、Jet Fusion 3Dプリンターは最大80%の材料リサイクル率で、3Dデータを送るだけでどこでも部品を造形できるため、部品の在庫を抱える必要がなく、物流面での負荷の軽減に貢献する。

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