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アルプスアルパイン・NTTデータ・ゼンリンが交通や地域社会の課題解決に向けて協業

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アルプスアルパイン・NTTデータ・ゼンリンが交通や地域社会の課題解決に向けて協業

アルプスアルパイン、NTTデータ、ゼンリンの3社が、全国の交通課題や地域・社会課題の解決に向けた協業を開始した。レンタカーに搭載したドライブレコーダーから得られるデータを活用し、観光客の満足度向上や交通渋滞の緩和などに貢献するのが目的だ。

2023年4月より沖縄県で開始する実証実験では、レンタカーに搭載したドライブレコーダーから画像や映像を収集する。リアルタイムなデータに基づいた情報を、観光客に提供するプラットフォームの構築をめざす。レンタカーを利用する観光客は、Webサイト上の地図からスマートフォンなどを通じて、特定の観光地や市街地の道路や道路周辺状況の画像や映像を確認することができるという。

渋滞の様子や発生原因、目的地周辺の混雑状況を把握することで、混雑しているエリアを回避して移動するといった利用者の行動変容につなげたい考えだ。効率的に観光地を回ることで、観光客の満足度向上につなげたいという。また地域住民にも影響のある交通渋滞緩和などに貢献していく。

今後3社は、実証実験を通じて収集した情報をNTTデータが運営する交通環境情報ポータル「MD communet」(※1)上にも掲載。他のモビリティデータや他分野とのデータ連携によるサービスの高度化や、参画する会員企業との連携を計画している。モビリティデータを、観光や地域保全、防災、物流、業務効率化など、幅広い分野で活用することをめざしていくという。

背景

アルプスアルパインは、センシング・制御・通信技術を通じて、自動車業界のニーズにマッチする製品とシステムの提供を行っている。脱炭素社会・循環型社会への対応、安全性能の高度化、新たなモビリティサービスの構築など、時代の要請に応える取り組みを行っている。

NTTデータは、官民連携の交通環境情報ポータル「MD communet」を運営。これは、Society5.0の実現に向けた内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(※2)(SIP:エスアイピー)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」(以下、SIP自動運転)における、地理系データの流通促進の一環として構築された。MD communetは、交通環境情報の活用を通じて交通事故の低減や交通渋滞の削減、新たなサービス・価値の創出に活用されている。

ゼンリンは、長年にわたって培ってきた地図づくりのノウハウを活用し、高精度・高鮮度な地図情報を提供。次世代モビリティの社会基盤となる、新たな位置情報サービスの提供に取り組んでいる。

3社が保有するこうした情報や技術を生かすことで、交通課題や社会課題を解決する新たなサービスの創出につながると考え、協業に至ったとしている。

実証実験について

3社は、レンタカーにドライブレコーダーを装着し、得られた画像と映像を基にレンタカーを利用する観光客へWebサイトを通じて情報を提供するプラットフォームを構築。有用性を検証するため、観光客数や地理的条件から沖縄県をフィールドに設定し、実証実験を行う。

各社の役割

アルプスアルパイン:ドライブレコーダーの企画・設計・提供
NTTデータ:全体システムの開発/サーバー構築
ゼンリン:Webアプリケーションの開発/映像マスキング処理技術の提供

今後について

3社は今後、実証実験で収集したデータを各社の保有する情報や技術と組み合わせることで、観光や地域保全、防犯、物流など、幅広い分野における新たなサービスの創出を目指す。沖縄県だけでなく、エリアを拡大することで全国の交通や社会課題解決に貢献していくという。

※1 MD communet:SIP自動運転が進めているモビリティ分野関連のデータを集約した、官民連携でのサービス創出のためのポータル。Society5.0に基づいた持続可能な社会システムの実現につながる取り組み。

MD communet

※2 内閣府『戦略的イノベーション創造プログラム』
*「MD communet」は、国内における株式会社NTTデータの登録商標。
*「その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標又は登録商標。

内閣府『戦略的イノベーション創造プログラム』

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