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ワイオミング州が電気自動車を販売禁止へ

耳を疑う共同決議が提出された背景とは

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ワイオミング州が電気自動車を販売禁止へ

アメリカ・ワイオミング州で、電気自動車の新車販売の段階的な廃止を支持する共同決議が提出された。時代と逆行する計画だが、背景にはエネルギー生産が重要な産業である同州の事情が関係している。

2023年1月13日、アメリカ・ワイオミング州で2035年までに電気自動車の新車販売を段階的に廃止することを支持する共同決議が提出された。環境保護が叫ばれ、エンジン搭載車両の新規発売禁止が計画されるなど、電気自動車への移行が著しい現代ではこの決議は耳を疑う提案だ。

なぜ、こうした決議が提出されたのか。単純に環境保護だけでは割り切れない事情がワイオミング州にはある。

エネルギー産業に依存した人口密度の低い州

アメリカ西部に位置するワイオミング州は、原油生産で国内第8位、天然ガスでは第2位、石炭生産に至っては国内トップでシェアの4割を占めている(いずれも2021年時点)。エネルギー生産が主要な産業だ。

人口は全米で最も少ない約50万人で、面積は全米10位。人口密度はアラスカに次いで2番目に低く本土48州では最も低い。エネルギー関連に従事する人の割合が高く、電気自動車が普及すればエネルギー関連産業へ与える影響は測りしれず、多くの人が職を失うリスクがある。

広大な土地を3本の州間高速道路(インターステートハイウェイ)と13本の国道が走っているが、いずれも電気自動車の充電設備が十分に配備されているとは言えない状況だ。「電気自動車でワイオミング州はまわれない」とSNSで揶揄されるくらい、インフラが整っていないことも電気自動車普及に前向きではない理由の一つだ。

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