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トヨタ、「進化型GRヤリス」を初公開。新開発8速AT「GR-DAT」を追加設定

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トヨタ、「進化型GRヤリス」を初公開。新開発8速AT「GR-DAT」を追加設定

トヨタ自動車は1月12日、幕張メッセで開催している「東京オートサロン2024」で新型「GRヤリス」を発表した。2024年春頃の発売を予定している。

「ヤリス」は、1999年に発売された「ヴィッツ」を前身とし、2020年にトヨタから発売されたコンパクトカー。GRヤリスは派生モデルのスポーツ4WD車として設定。発売以降も、「全日本ラリー選手権」などのモータースポーツへの参戦を繰り返し、プロドライバーや評価ドライバーなどからのフィードバックを反映する「ドライバーファーストのクルマづくり」を実施。レースで得られた不具合発生時の走行データや操舵フィーリング、壊れた部品にどんな傷や泥がついているか、原因などを追及しながら、改善を重ねてきた。

今回公開した進化型GRヤリスは、新開発した8速AT「GR-DAT」を搭載したことが主な特徴となる。

AT制御ソフトウエアをスポーツ走行用に最適化し、ブレーキの踏み込み方・抜き方、アクセル操作まで細かく感知。車両挙動の変化が起こる前に変速が必要な場面を先読みすることで、「ドライバーの意思を汲み取るギヤ選択」を目指した。6MTから8ATへ多段化した上で、クロスレシオ化することによりパワーバンドを活かした走りに寄与している。

GR-DATイメージ画像

運転席は、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾けて設置し、視認性と操作性の改善を狙っている。スポーツ走行時のみならず、日常生活でも使いやすいスイッチ類の配置にも工夫を凝らした。

ドライビングポジションを25mm下げ、合わせてステアリング位置も調整することにより、ドライビング姿勢を改善。インナーミラーの取り付け位置をフロントガラス上部に移動し、さらにセンタークラスターの上端を50mm下げることで前方視界を拡大するなど、試作車を用いて参戦した全日本ラリーのドライバーなどからの要望を反映したチューニングをしている。

新型「GRヤリス」の運転席

走行性能は、モータースポーツでの戦闘力向上を目指し、エンジン出力を200kw(272PS)から224kw(304PS)へ、トルクを370N・m(37.7kgf/m)から400N・m(40.8kgf/m)へ向上させた。高出力化とGR-DAT追加設定に伴い冷却性能向上が必要になるため、GR-DATを搭載した車両にはATFクーラーを標準搭載した。モータースポーツへの参戦を考慮し、サブラジエーター、クールエアインテーク、インタークーラースプレーを新たにクーリングパッケージとしてメーカーオプション設定している。

エンジントルク図

スポーツ走行と日常生活での使い勝手を両立するため、従来の4WDモードセレクトに加えてドライブモードセレクトを新たに設定。ユーザーの好みや参戦するモータースポーツの特性に合わせ、電動パワーステアリング、エアコン、パワートレーンの設定が可能。GPSによる位置判定より、サーキットなどの利用可能エリアに入るとアンチラグ制御、スピードリミッター上限速度の引き上げなど、GRヤリスのポテンシャルを引き出す機能(※)も設定。各機能はスマートフォンアプリ上でカスタマイズができる。

そのほか、全日本ラリー参戦からの学びを活かし、パーキングブレーキの配置変更をRCにメーカーオプション設定。標準の位置に対して車両前方へレバーを移動することで、ステアリングとの距離を近づけ素早く操作できるように工夫した。角度を立てることで引きやすさを向上させ、操作時の負担を軽減している。

進化型GRヤリス(日本仕様、プロトタイプ)
縦引きパーキングブレーキ

※サーキットモードは、T-Connectサービスの有料オプション(国内仕様のみ)

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