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エンジンテクノロジー超基礎講座051|「エンジンのコスワース」を形作った歴代エンジン

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エンジンテクノロジー超基礎講座051|「エンジンのコスワース」を形作った歴代エンジン

コスワースといえばエンジンコンストラクター……というのはもはや昔の話。しかしわれわれにはビビッドに名門チューナーとしての記憶が刷り込まれている。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)

SCA。コスワースが設計したヘッドが載った最初のエンジン(1964年)。排気量は997ccでF2に搭載した。1958年に創業したコスワースがチューンを手がけた最初のエンジンはフォード・アングリア用で「アングリアの成功があってフォードはいくらかの金を出した」(テクニカルディレクター:ブルース・ウッド氏)
DFX。「コスワースが小さなチューナーから大きなマニュファクチャラーに転換するきっかけとなったのがDFV。DFXはそのアメリカンバージョン」(ウッド)。2.65ℓV8ターボ。インジェクターが吸気管に対して上向きに取りつけられているのは気化霧化を促進するため。1975年。
XB。インディカー専用ユニット。初レースは1992年。バンク角は80度。1995年にJ.ビルヌーブがチャンピオンを獲得。ワークス待遇だったニューマンハースのエンジンはノーザンプトンでリビルドされたが、カスタマー向けはカリフォルニア州トーランスの拠点でリビルドされた。
XF。「コスワースにとって2番目に成功したエンジン。ホンダやトヨタと争いつつ優位性を示したのもいい思い出だ。2003年にIRLのスペックエンジンになった。トータルで8年間使ったが、失敗は2%しかなかった」(ウッド)。ピークパワーは950bhpに達した。
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著者
世良 耕太
テクニカルライター

1967年東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。編集者・ライターとして自動車、技術、F1をはじめとするモータースポーツの取材に携わる。10年間勤務したあと独立。モータースポーツや自動車のテクノロジーの取材で欧州その他世界を駆け回る。

部品サプライヤー・自動車メーカーのエンジニアへの数多くの取材を通して得たテクノロジーへの理解度の高さがセリングポイント。雑誌、web媒体への寄稿だけでなく、「トヨタ ル・マン24時間レース制覇までの4551日」(著)「自動車エンジンの技術」(共著)「エイドリアン・ニューウェイHOW TO BUILD A CAR」(監修)などもある。

興味の対象は、クルマだけでなく、F1、建築、ウィスキーなど多岐にわたる。日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021選考委員。

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