UDトラックス、中型トラック「コンドル」をフルモデルチェンジ。先進運転支援システム拡充
UDトラックスは1月24日、中型トラック「コンドル」をフルモデルチェンジし販売を開始した。
コンドルは1975(昭和50)年に初代モデルを発売した中型トラック。2017(平成29)年から、いすゞ自動車からOEM供給を受けている。
今回のフルモデルチェンジでは、インテリアとエクステリアを全面的に刷新。インテリアは従来のクリーンなイメージはそのままに、車内空間を最大限に活用し、収納スペースを拡大。ホスピタリティとドライバーファーストのスピリットに則り、機器類やスイッチなどを最適に配置し、使い勝手のよいキャブ内空間を目指した。ディスプレイは、7インチカラー液晶大型メーターディスプレイとタッチパネル操作が可能な7インチセンターディスプレイを採用。凍結対策のためにアクセルペダルを吊り下げ式に変更したほか、ステアリングの小径化、ベッドスペース拡大のための助手席フルフラット化などを施した。
エクステリアは、UDエンブレム一体型のフロントグリルを採用したほか、LEDヘッドランプを標準化し、法規対応のため、夜間走行中強制的にライトが点灯するオートライトを標準化した。キャブヘッドランプ車では、ステップカバーを標準化した。
安全装備は、先進安全・運転支援機能を拡充。安全装備の高度化に伴い、ベーシック、スタンダード、アドバンス、プレミアムの4つのパックオプションを用途に合わせて設定。ユーザーが選択しやすいようにした。主な機能は以下の9つ(※)。
1.ブラインドスポットモニター(車両直前警報/側方衝突警報/交差点警報)
交差点進入時、車両直前の警報機能に加え、全車標準装備となる側方衝突警報装置(BSIS = Blind Spot Information System)が、車両左側に存在する自転車等を検知し、巻き込む可能性のある位置に存在する場合、ドライバーに危険を警報する。車線変更時に自車に近接する対象物の検知・警報が可能なパッケージも用意。
2.ドライバーステータスモニター(DSM)
インストルメンタルパネル中央に設置したカメラでドライバーの状態をモニターし、前方への注意不足を検知すると、音声と警告表示で注意喚起。中速走行(30㎞/h~)は、不注意運転につながる「ながら運転」(視線を検知)を判断し、注意喚起を行う。高速走行時(60㎞/h~)は、漫然運転につながる脇見(顔の向き・位置を検知)や居眠り・眠気(目や瞬きの状態を検知)を判断し、注意喚起を行う。さらに過度な眠気を検知した場合は、エアコンの冷たい強風が自動的に作動し、より強く注意喚起する。
3.標識認識機能
車両前方にある道路交通標識をカメラで検知し、メーターディスプレイに表示。ドライバーが標識を見落とすなどで意図せず規制から逸脱した場合に、表示および音による警告を行い、安全運転に導く。「最高速度」「車両進入禁止」「追い越し禁止」「一時停止」の4種の標識を認識する。
4.標識認識連動型スピードリミッター
標識認識機能が認識した「最高速度」標識の制限速度に対し、制限速度を上限に車両側でスピードリミッター制御を行う。法令遵守と、速度超過による自己抑制に貢献する。
5.全車速車間クルーズ
全車速域で車間距離を維持するように車両を制御し、先行車が発進したにも関わらず、ドライバーの発進操作がなかった場合は、警報およびメーターディスプレイでドライバーに先行車発進をしらせる。これまでフルエアブレーキ車の中でもリーフサスペンション車のみの設定だったが、エアサスペンション車にも追加した。
6.可変配光型LEDヘッドランプ(ADB)
ハイビーム走行時、先行車や対向車をカメラで検知。ヘッドランプの配光を全自動で制御し、対向車や前走車に眩しさを与えることなく、夜間走行時の前方視界を良好に保ち、安全性向上に寄与する。
7.EDSS(Emergency Driving Stop System)(単純停止/車線内停止)
ドライバーが急病等で安全に運転できない状態に陥った場合に、ドライバー自身のスイッチ操作またはシステムにより車両を停止させる。EDSSスイッチが押されると、車内には警告表示と音声警報で、車外には制動灯・ハザードの点滅とホーンを鳴らすことで、車内外に異常を知らせる。スイッチが主導で押されない場合でも、DSM、並びに車線逸脱警報装置(LDWS)の警報によりシステムが作動し、速度を徐々に落として停止させる。プレミアムパッケージではLKA(後述)との協調制御により、直線やカーブで車線内を維持しながら停止する「車線内停止」ができる。
8.電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)
駐車ブレーキのかけ忘れや操作力不足による自走事故の抑制に寄与し、安全性能向上とドライバーの負担軽減に貢献。自動作動/解除機能を備え、全車速車間クルーズ・EDSS等の運転支援装置とも連動して、停車時に自動パーキング対応する。
9.レーンキープアシスト(LKA)
フロントガラス中央部のカメラで車線を認識し、ステアリング制御で車線逸脱による事故の抑制に貢献。車線内の中央走行をステアリング制御で支援し、高速走行時の長時間運転による疲労軽減を図る。全車速車間クルーズとの組み合わせで作動し、ドライバーの漫然運転時に作動する車線逸脱抑制と、ドライバーの運転操作をサポートする車線維持支援を行う。
※各装置はドライバーの運転支援機能のため、各機能の能力(認識・制御能力)には限界がある。各システムは、いずれも道路・天候状況、車両状態等によっては、作動しない場合や十分に性能を発揮できない場合がある。