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スズキ、「アルト」貨物仕様で型式指定申請不正。2014年モデルが対象

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スズキ、「アルト」貨物仕様で型式指定申請不正。2014年モデルが対象

スズキは6月3日、国土交通省からの指示に基づく型式指定申請に関する調査について、過去の不正事案を1件発見したと発表した。

1月26日の型式指定申請に関する国交省からの実態調査の指示を受けて進めていた調査に基づくもの。

今回不正が判明したのは、2014年12月~2017年12月に量産・販売された「アルト(型式 HBD-HA36V)」。累計生産台数は2万6,023台、販売台数は2万5,999台。

2014年9月にアルト(貨物仕様)(ABS無)の型式申請の際に提出した「トラック及びバスの制動装置の試験記録及び成績(TRIAS 12-J010-01-付表)」において、フェード試験(※)の停止距離を、実際の試験で測定した停止距離より短く記載していた。

不正が起こった原因として、社内認証試験において、ブレーキの踏力が規定値を大きく下回る弱い力だったことで、停止距離が法規要件に対して余裕が無い結果だったが、試験成績書の提出期限に対し再試験を行う時間がなかったことが背景にあるという。試験に関与した者がブレーキを規定値近くまで踏み込んだ場合を想定した停止距離に書き換えても問題ないと考え、意図的に書き換えたものと推測しているという。

5月18日に法規認証部門の立ち合いの下、当該試験をやり直した結果、フェード試験の法規要件を十分に満たすことを確認。他型式についても、2014年以降の全ての開発機種の試験結果と成績書を照合し確認した結果、同様な不正があったのは当該アルト貨物仕様のみであることを確認した。

同社は2016年の燃費・排出ガス試験にかかる不正行為の発覚以降、不正を発生させない社内の仕組みを作り実行するとともに、社長による職場対話を含むさまざまな対策や、品質優先、風通しの良い組織の醸成、法令順守に対する意識を高く保ち続ける活動「リメンバー5.18活動」を継続している。

現在は社内認証試験に設計開発部門から独立した組織である法規認証部門が立ち合った上で、試験結果と成績書の確認を行うプロセスとなっており、不正を発生させない仕組みとなっているとしている。

※ブレーキをくり返しかけてブレーキが高温となった状態での停止距離を測定する試験

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