アークエルテクノロジーズ、EV移行支援ツール「EVシミュレーター」製品版を導入
アークエルテクノロジーズは6月12日、電気自動車(EV)の導入効果予測見える化ツール「EV simulator(イーブイ シミュレーター)」製品版の導入を開始した。
EVシミュレーターとは、既存の車両情報と走行距離のデータから、EVに移行した際の経済性・環境性を評価するシミュレーションが簡単に行えるツール。企業や自治体がEVへ移行する際の費用対効果およびCO2削減効果をシミュレーションできる2つの主要機能を備える。既存のガソリン車に車載機を設置し、実際の走行データや燃費から、より精緻なシミュレーションもできる。
同社はEVスマート充電と運行管理を一括自動化、EVグリッド統合を見据えたV2Xを最適制御する「AAKEL eFleet」と、GHG排出量計測・削減策シミュレーションを行う「AAKEL eCarbon」を提供しており、EV移行の戦略具体化のために同ツールを導入する。
費用対効果シミュレーション機能では、ガソリン車からEVへ移行する際の総コストを詳細に分析。初期投資、運用コスト、メンテナンス費用、充電インフラの設置費用など、さまざまなコスト要素を入力することで、長期的な費用対効果をシミュレーションできる。税制優遇や政府の補助金も考慮に入れることができ、より現実的な経済効果を算出可能。
CO2削減効果シミュレーション機能では、ガソリン車からEVへの移行が環境に与えるポジティブな影響を評価できる。年間の走行距離、ガソリン消費量、EVの電力消費量などのデータを入力することで、移行前後のCO2排出量の差を具体的に算出可能。
同社が2022年10月〜2023年3月に北九州市上下水道局でEV移行計画支援を行った際に得た知見やノウハウを基に同ツールを開発。同取り組みではテレマティクスデバイスを用いて車両運用状況を計測・分析し必要な数値算出をサポートすることで、必要な年度予算や車両台数を具体的に設定可能となり、計画実行に向けた明確な指針を提供できたという。
同ツールは、「イニシャルコストが高額であるという印象からEV導入に踏み切れない」「EV導入によるCO2排出量削減効果をPRしたいもののその効果を具体的に見える化する手段が乏しい」といった企業の課題を解決するために開発。エネルギー事業者に対しEV移行による効果を詳細に検討可能にするとともに、EVリースや販売を手掛ける企業にとっても、顧客に対してEV導入のメリットを具体的に提示可能となるため、EV導入促進の支援ツールとしても活用できる。