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豊田自動織機、新開発の水素製造装置用電極を発表。貴金属フリーでサプライチェーンリスクを低減

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豊田自動織機、新開発の水素製造装置用電極を発表。貴金属フリーでサプライチェーンリスクを低減

豊田自動織機は5月30日、車載電池(バイポーラ型ニッケル水素電池)の開発で培った材料技術・分析技術を活用した、アルカリ水電解式水素製造装置向けの電極を開発したと発表した。

現在、脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギーとして注目される水素の需要は年々高まっており、水素を産業や社会の中で利用するためのサプライチェーン構築や、各工程の技術開発が加速している。

同社では、水素製造装置の市場が2030年までに拡大すると見込み、効率的かつ安定した水素製造技術の開発を研究していた。複数ある水素製造方法の中でも、ニッケル水素電池の知見を生かせるアルカリ水電解方式に着目し、水素製造のキーデバイスである電極について、独自設計の材料および製造工程の開発を進めていた。

アルカリ水電解セルの概略図

今回開発した同電極は、二ッケルを主成分とする独自設計の材料で構成し、白金やルテニウムなどの貴金属やコバルトを使用しないため、サプライチェーンリスクの低減に貢献する。

貴金属やコバルトを使用した電極と同等の高い電解効率84%(※1)を実現。再エネ電源の供給停滞により、水素製造装置が停止する際に起こる電極材料の化学変化は、電極の「剥がれ」を招き、電解効率の低下につながるが、同社は独自の電極構造設計により、起動停止耐久1300回(※2)(14年相当)時点および連続耐久1000時間でも電極は劣化しないことを耐久評価試験で確認した。

今後は、水素製造装置への実装に向けた試作を行い、装置メーカーやシステムメーカーなどのニーズに対応できるように開発を進め、2028年頃の市場投入を目指す。

※1:電流密度600mA/cm2における電解効率
※2:風力発電の年間停止回数(約90回/年)を前提に算出

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