STマイクロエレクトロニクス、イタリアのカターニャに200mm SiC量産施設を新設
半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスは5月31日、パワー・デバイスおよびパワー・モジュールを製造する新しい200mm SiC(炭化ケイ素)製造施設をイタリアのカターニャに建設すると発表した。
同計画は、欧州半導体法(EU Chips Act)の枠組みにおいて、イタリア政府が提供する20億ユーロの支援を含む、50億ユーロの複数年投資計画となる。
同じ拠点内ではSiC基板の製造施設の準備も進んでおり、新たに建設する同施設と合わせて「Silicon Carbide Campus」を形成。1つの拠点でSiCを大量生産するための完全に垂直統合された製造施設というSTのビジョンを実現するという。
Silicon Carbide Campusは、STのグローバルなSiCエコシステムの中心として機能し、SiC基板開発、エピタキシャル成長工程、200mmウェハ前工程、モジュール組み立て工程を含む製造フローの全工程に加え、プロセス研究開発、製品設計、チップ / パワー・システム / モジュール用の先端研究開発ラボ、および完全なパッケージング工程を統合。基板製造、エピタキシャル成長工程、前工程、後工程の各工程で、歩留りと性能の向上に貢献する200mm技術を採用した、ヨーロッパ初のSiC製品の量産施設になる。
同社は、Silicon Carbide Campusの設立により、自動車、産業、クラウド・インフラなど、SiC製品を使用する各分野の顧客による電動化への移行や高効率化をサポートしていく。