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日本ペイント、群馬県前橋市の自動運転実証実験に特殊塗料「ターゲットラインペイント」提供

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日本ペイント、群馬県前橋市の自動運転実証実験に特殊塗料「ターゲットラインペイント」提供

日本ペイント・インダストリアルコーティングスは1月24日、群馬県前橋市で行われる自動運転の実証実験に、同社開発の自動運転用特殊塗料「ターゲットラインペイント」を提供すると発表した。

バスなどの運転手不足が深刻化する中、国土交通省は、速度やルートなど特定の条件の下でドライバーが不要となる「レベル4」の自動運転を全国的に進めるため、各自治体に補助金を支給する「自動運転実証調査事業」を行っている。

同実証実験は、「自動運転実証調査事業」の採択を受けて前橋市が実施するもの。前橋市は2025年を目途にレベル4の実装を目指し、2018年から実証実験に取り組んでおり、今回が6回目の実証実験となる。

実証実験の期間は、2月5日~2月29日。自動運転バスが、「上毛電鉄中央前橋駅~JR前橋駅」間の約1キロのコースを走行する。ターゲットラインペイントを導入するのは今回が初めて。

ターゲットラインペイントは、自動運転用センサーが認識できる特殊塗料で、走行経路に塗装するだけで自動運転用のインフラ整備が可能となる。車両に搭載したセンサーが、路面に塗装されたペイントを認識・追従することで、安定した自動走行を行う。これにより、自己位置測位系の完全二重系区間を拡大することで自動運転システムの冗長性を確保し、より安定した走行を目指す。

ターゲットラインペイント施工箇所(左:JR前橋駅前通り 右:国道50号本町2丁目交差点内)
ターゲットラインペイント施工箇所(左:JR前橋駅前通り 右:国道50号本町2丁目交差点内)

同塗料の採用により自動運転の導入コストやメンテナンスコストの削減が見込めるほか、山林やビル等により衛星測位システムが入りにくい場所でも、塗装されたペイントを認識させて走行を支援できる。目視で路面色と同化しやすい色の設計が可能のため、道路の路面表示と誤認しづらく、安全面や景観にも配慮している。

同グループは、今後もさまざまな場所での実証実験を通じて自動運転の普及を目指し、塗料分野で培った技術を生かしながら社会課題の解決に貢献していくとしている。

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