コマツ、大型ホイールローダー向け自動検知支援システムを開発。AI画像解析を活用
小松製作所(コマツ)は2月19日、大型ホイールローダー「WA900-8R」向けに、AI画像解析を用いてバケットのツース脱落(※1)や、車両周辺の転石(※2)を自動検知する支援システムを開発したと発表した。
現場では、脱落したツースがクラッシャ(破砕機)に入ることによるクラッシャの故障や、ホイールローダーが砕石現場の鋭利な転石に乗り上げることでタイヤカット(損傷)が発生する。これらが起きるとクラッシャやタイヤの修理交換によるコストや現場の稼働停止による機会損失が生じ、脱落したツースを現場で探索する作業は大きな危険を伴う。
同社は、課題を解決するため、大型ホイールローダー向けの自動検知支援システムを開発。同システムにより、ツース脱落や車両近くの転石を、AIによる画像解析を用いて自動検知できる。
ツース脱落の検知支援システムは、車体左右のフロントライト下部に設置したカメラユニットとAI画像解析を用いて、ツースの状況をリアルタイムでモニタリング。システムが脱落を検知した場合、モニタ表示と警告音で、オペレーターにツースの脱落を通知する。
転石検知支援システムは、車体左右のフロントライト上部に設置したカメラユニットとAI画像解析を用いて、前輪タイヤの前方と横方向をリアルタイムでモニタリング。システムが所定サイズの転石を検知エリアで検知した場合、モニタ上表示と警告音で、オペレーターに転石の回避を促す。
同社は今後、作業性能や安全性、利便性の向上に取り組み、2025年度中の一般販売開始を目指す。
※1:ツース脱落:掘削性能を向上させるためにバケット先端に取り付けられるツース(爪)が、積み込み作業時に衝撃による破損で脱落すること
※2:転石:採掘現場で発破直後や積込中に落下した岩石のこと