トヨタ、型式指定不正で国交省から是正命令。RAV4・ハリアーなど新たに7車種の不正認定も
型式指定を巡る認証不正問題で、国土交通省は7月31日、トヨタ自動車に是正命令を発出。実地調査の結果、新たに7車種8事案で不正を認定したと発表した。同社に是正命令が出されるのは今回が初めて。
国交省は、5月末に不正行為の報告があったトヨタに対し、6月4日より立入検査を実施し、7月5日に同社より報告された調査結果の内容等も踏まえ、事実関係の確認と精査を行った。
その結果、同社から報告があった7車種における不正行為の事実を認定するとともに、うち2車種については正しく事実関係が報告されていないことを確認。追加で7車種(現行生産車4車種、過去生産車3車種)における不正行為を認定した。
同社からの原因調査結果の報告および立入検査での確認結果等を踏まえ、同社に対し、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出。1カ月以内に再発防止策を報告し、その後四半期ごとに再発防止策の実施状況を報告するよう求めた。
国交省は、7月5日に同社から不正行為の報告があった7車種について基準適合性の確認を行い、7車種全て基準に適合していることを確認。このため、6月3日から出荷停止している現行生産車3車種「カローラ フィールダー」「カローラ アクシオ」「ヤリス クロス」の国内向け車両の出荷停止の指示を解除した。
立入検査等で追加で不正行為を認定したのは、現行生産車は「RAV4」「ノア・ヴォクシー」「ハリアー」「レクサスLM」の4車種と、過去生産車「プリウスα」「レクサスRX」「カムリ」の3車種。そのうち、現行生産車「ノア・ヴォクシー」については、基準に適合していることを確認している。その他6車種は海外当局による認可を受けたもので、国交省が海外当局に通知し、基準適合性の確認を要請した。
同社は、一連の指摘や社内調査を通じて、今回の事案の原因は、以下のように現場と経営の両面にあったと捉えているとした。
<現場における原因>
・認証申請に必要な書類を作成する際の社内の運用ルールが不明確
・認証業務における必要なリソーセスの明確化と管理が不十分
・認証業務の重要性に対する認識が不足
<経営面における原因>
・経営/幹部の認証業務全体における理解と関与が不十分
同社は今後、これらの認識をもとに正しい認証業務を実施するための仕組み・体制に見直すとともに、認証プロセスの責任と権限をあらためて明確化し、正確なデータ管理など基盤の整備を進めていく。これらを再発防止策としてまとめ、国交省に報告する。TPS自主研を通じて、中長期的な仕組み・風土づくりにも取り組んでいく考えを明らかにした。
カローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロスは、9月初から生産を再開する予定。ノア・ヴォクシーは準備ができ次第再開する予定としている。