メルセデス・ベンツ、マイバッハブランド初のEV「EQS 680 SUV」を発売。充電走行距離は640km
メルセデス・ベンツ日本は8月1日、メルセデス・マイバッハブランドから初のSUV電気自動車(EV)「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」を発売した。
マイバッハ EQS SUVは、EVメルセデス・ベンツEQS SUVをベースに、専用のフロントマスクやツートーンペイント(※1)、アルミホイールなどを採用。グジュアリーを表現した外観は、一目でマイバッハブランドとわかるエクステリアとなっている。
軽い力で確実にドアを閉めることができるドアクロージングサポーター、ディスプレイ操作でドア開閉が可能な電動コンフォートドア(前席・後席)、車両の操縦性を向上させるリア・アクスルステアリングを採用し、快適性や利便性を高めた。
インテリアは、上質な素材を大胆に使用したウッドパネルや植物由来原料で加工したナッパレザーシート、MBUXハイパースクリーンやMBUXリアエンターテインメントシステムを標準装備し、ラグジュアリーかつ快適な移動空間を実現する。
パワートレインは、前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用。電気モーターは、強力なパワーを生み出すよう、三相の巻線を2つ備えた六相式を採用している。最高出力は658PS(484kW)、最大トルクは955N・mを発生する。WLTCモード一充電走行距離は640kmを測定する。
トルクシフト機能によってフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分は常に効率的に最適化される。
走行モードには「ECO」「SPORT」「OFFROAD」「INDIVIDUAL」の走行モードに加えて、専用の走行モード「MAYBACH」を設定。これは従来のCOMFORTプログラムに代わるもので、後席乗員に快適な乗り心地を提供するために設計された。
リチウムイオンバッテリーのエネルギー容量は118kWh。バッテリーはEVにとって中核を担う技術であり、メルセデスはバッテリーの本体だけでなくバッテリーを管理するソフトウェアも自社開発している。充電規格は、6.0kW(※2)までの交流普通充電と、150kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応する。
車外へ電力を供給できる双方向充電(※3)も利用できる。家庭用の太陽光発電システムで発電した電気の貯蔵装置(※4)となるほか、停電した場合などに、電気を家庭に送る予備電源としても利用できる。給電はMBUX設定画面よりバッテリー残容量10%〜50%まで10%単位で設定できる。
快適性能を高めるための騒音、振動、ハーシュネス(不快さ)対策には、メルセデス・ベンツEQS SUVのNVH技術を継承。フロントとリアのエレクトリックドライブトレインのカプセル化、革新的なフロントアクスルのキャリアフレーム、確実にゴムブッシュを介して分離されたドライブユニットにより騒音と振動を抑え、快適性を向上させた。
ウインドスクリーン下のクロスメンバーからラゲッジルームフロアにかけては、効果の高いスプリング/マスコンポーネントを用いて連続的に防音されていることに加え、メンバーの多くにはボディシェル製造段階から防音発泡材が挿入されている。
マイバッハ EQS SUV では、特に後席のNVH対策を強化。ARTICOでカバーされているラゲッジルームカバーは、EQSセダンと同様にボディに固定された仕切り壁の働きをする。リアシートのバックレストを上端に固定し、ラゲッジルームをリアウインドウの下端まで密閉した。これにより、効果的にノイズを抑制する。
走行状況と必要な出力に応じて、フロントアクスルの電気モーターの接続を自動で切り離す機能は、走行可能距離を延ばすだけでなく、モーターからのノイズ抑制に貢献。追加の絶縁材料と防音効果のあるウインドウガラスが使用している。パノラミックスライディングルーフの開口部が大きくなった一方で、ウインドディフレクター、カバーおよび密閉形状の工夫を施したことにより、さらに騒音を抑えている。
このようなNVH対策を行うことで、マイバッハ EQS SUVの後席は音楽を楽しみ、あるいはリラックスできる静けさを提供し、快適に過ごすことができる高い静粛性を追求した。リアサイドウインドウに取り付けられた電動ローラーブラインドを使用して、後部座席乗員のプライバシーレベルを調整することもできる。
価格は2,790万円(※5)。
※1:有償オプション
※2:日本における使用で想定される200V・30A充電の場合
※3:給電機能を利用する際には、別途充放電器が必要
※4:V2H 機能を利用する際には、別途工事が必要
※5:記載されている仕様および価格は、8月1日現在の内容