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デンソーとJERA、JERA火力発電所において、SOECと排熱活用を組み合わせた、高効率水素生成技術の共同開発ならびに共同実証試験を実施

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デンソーとJERA、JERA火力発電所において、SOECと排熱活用を組み合わせた、高効率水素生成技術の共同開発ならびに共同実証試験を実施
8月1日に実施された共同開発契約の署名式の様子

デンソーとJERAは8月5日、デンソーの水電解装置SOEC※1を使用し、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発ならびにJERAの火力発電所にて共同実証試験を実施することとしたことを発表した。

デンソーは、2035年にカーボンニュートラルの実現を目指し、「モノづくり」「モビリティ製品」「エネルギー利用」の3つの領域からさまざまな取り組みを進めている。特に「エネルギー利用」において不可欠な水素製造を、クルマのシステム開発で培った技術を応用し、高い安定性と効率性が特徴であるSOECの開発に取り組んでいる。

JERAは、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO₂の実質ゼロに向けて、水素・アンモニアのサプライチェーン構築に挑戦している。火力発電については、よりクリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO₂を排出しないゼロエミッション火力が追求されている。

今回、両社は、デンソーが開発するSOEC(電解電力※2:200kW)を使用して、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発を開始し、2025年度よりJERAの火力発電所構内において共同実証試験を実施していく。
さらに、200kWの共同実証試験の結果をもとに複数のSOECを組み合わせ、数千kW規模への拡大を目指していく。

※1 SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell / 固体酸化物形水電解装置):セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置。水素製造については、他にもアルカリ液を電解質とするアルカリ水電解や、高分子膜を電解質とするPEM形水電解があるが、今回共同で開発を行うSOECはそれらと比べて電解に要する電気エネルギーが少ないことが特徴。

※2 電解電力:水の電気分解に投入する電力

左:JERA 渡部 哲也 取締役副社長執行役員 右:デンソー 山崎 康彦 代表取締役副社長
著者
Motor Fan illustrated

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