いすゞと三菱商事、タイでバッテリー交換式ソリューションの実証を推進。経産省の事業に採択
いすゞ自動車と三菱商事は8月23日、経済産業省が公募する令和5年度補正予算「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)」に、タイ王国で進めるバッテリー交換式ソリューションの導入および電力インフラとの連携によるセクターカップリング実証事業を共同で応募し、採択されたと発表した。
経産省のグローバルサウス未来志向型共創等事業は、グローバルサウス諸国が抱える課題を解決することを通じて、当該地域の市場の成長力を生かし、グローバルサウス諸国との経済連携を強化することや、事業実施国に貢献することを目的とし、日本国内のイノベーション創出につなげ、国内産業を活性化することを目指している。
いすゞと三菱商事は1960年代から、ASEAN諸国の自動車産業のハブであるタイで、商用車事業を共同で展開。いすゞはタイ国内2カ所に、主力のピックアップトラックのマザー工場を設立し、これらの部品を現地調達化し、車両の組立・生産を行うなど、強靭なサプライチェーンを構築している。
いすゞ車両を取り扱う自動車販売会社では、販売・マーケティング活動を通じて、顧客との強固なリレーションを構築しており、商品ラインアップであるトラック、ピックアップトラックともにタイ国内で高い販売シェアを誇るなど、両社はタイの自動車産業の発展・拡大に貢献してきた。
セクターカップリングとは、電力部門を交通部門や物流部門、熱部門などほかの消費分野と連携・融合させることで、社会全体の脱炭素化を進めるとともに、再生可能エネルギーを活用した持続可能な社会インフラを構築する取り組み。
同実証事業では、いすゞが昨年10月、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」で初披露したバッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」の実機を活用する。バッテリー交換式ソリューションは、充電済みのバッテリーと数分で交換できるため、バッテリーEV(BEV)を充電することによる待機時間(ダウンタイム)の発生を回避できる。車両とバッテリーを分離することで、バッテリー単独でのエネルギーマネジメントなどの運用ができ、再生可能エネルギーの効率的な活用が期待できる。
2025年度から、両社に加え、現地法人の「泰国いすゞ自動車」および「トリペッチ いすゞ セールス」、タイならではのカーボンニュートラルへの取り組みをサポートする「Commercial Japan Partnership Technologies Asia」の5社が連携し、活動を推進する。