コマツ・ヴァーレ・カミンズ、超大型ダンプトラック向けのデュアルフューエル対応エンジン開発で協業
小松製作所(コマツ)、ブラジルの大手鉱山会社Vale(ヴァーレ)、米国の大手エンジンメーカーのカミンズは8月27日、ディーゼルとエタノールの混合燃料も使用可能な超大型ダンプトラック向けのエンジン開発に向けて協業を開始したと発表した。今後数年間で開発を進め、デュアルフューエル仕様トラックのヴァーレの鉱山現場への導入を目指す。
デュアルフューエル対応トラックは、燃料にエタノールを最大70%混合でき、ディーゼルのみを燃料とした場合に比べ、稼働時のCO2排出量を最大70%削減できる。
現在、ヴァーレの鉱山現場ではコマツの超大型ダンプトラック「830E」と「930E」が稼働している。今回の協業は、CO2排出量をさらに削減するために、ヴァーレが所有する既存の鉱山機械に、より環境負荷の低い動力源を後付けするアプローチをとる点で、コマツとして初めての試みとなる。カミンズが保有する内燃エンジン技術と、コマツの保有する鉱山機械の開発・製造技術、ヴァーレのエタノールやバイオ燃料の知見を活用することで、超大型ダンプトラックからのCO2排出量を削減し、鉱山オペレーションの持続可能性を高める。
コマツは、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、CO2削減の取り組み対象を顧客の現場全体にも拡げている。鉱山オペレーションにおいては、超大型ダンプトラックからのCO2排出量の占める割合が高いことから、コマツは従来のディーゼル電気駆動やトロリーのほか、バッテリー電動や水素燃料電池などの新しい動力源を搭載した鉱山機械開発に取り組んでいる。
今回の取り組みで開発するエンジンにより、現在稼働中のディーゼル車をデュアルフューエル対応トラックへ順次シフトできるため、ヴァーレのコスト削減目標にも貢献しつつCO2排出量の大幅な削減を早期に実現し、ヴァーレの2030年脱炭素目標達成に貢献できると見込む。