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ヒョンデ、中長期戦略を発表。HEVと新型EREVのラインアップを拡充し2030年に年販555万台目指す

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ヒョンデ、中長期戦略を発表。HEVと新型EREVのラインアップを拡充し2030年に年販555万台目指す

Hyundai Motor Company(ヒョンデモーターカンパニー)は8月28日、「2024 CEO Investor Day」を開催し、新たな中長期戦略「Hyundai Way」を発表した。

ヒョンデは、電気自動車(EV)とハイブリッド車の競争力を強化し、バッテリー技術と自律走行車技術を進歩させ、エネルギーモビライザーとしてのビジョンを拡大し、市場環境への柔軟な対応していくというコミットメントを明らかにした。

2030年までに100万台の自動車生産能力を追加し、2023年比30%増の世界年間販売台数555万台を目指すと発表。EV販売台数の目標は200万台とする。

EV需要の鈍化に対応するため、ハイブリッド車のラインアップ拡充と新型EREVの投入を計画。ハイブリッド車は、現在の7モデルから14モデルへと拡大し、高級車ブランド「Genesis(ジェネシス)」にも展開する。ジェネシスではEVを除くすべてのモデルにハイブリッドオプションを提供する。

EREVは、内燃エンジン(ICE)とEVのメリットを組み合わせた次世代EVで、電気モーターで走行するため満充電時の航続距離が900kmを超える走行性能を持ち、給油と充電の両方が可能となる。2026年末までに北米と中国で新型EREVの量産を開始し、2027年から本格的な販売を開始する。

EV需要の回復が見込まれる2030年までに、手頃な価格帯から高級車、高性能車に至るまでEVモデルを増やし、全21モデルの発表を目指す。

バッテリー技術の差別化や安全技術の強化にも取り組む。電池技術の内製化を継続的に推進し、全固体電池を含む次世代電池の開発を、義王研究所に開設予定の「次世代バッテリー研究所」で継続。2030年までに、現在の性能ベースのNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)電池や、低コストのLFP(リチウム・鉄・リン酸塩)電池を使用するだけでなく、手頃な価格の新しいNCMバッテリーを開発することで、より幅広いソリューション提供を目指す。

現在EVに適用している軽微な異常をリアルタイムで検知する「バッテリー管理システム(BMS)」の事前診断技術について、今後はAIモデルに基づく電池寿命管理機能への展開や、電池寿命予測技術の精度の向上を目指していく。

モビリティゲームチャージャー戦略として、自律走行車ファウンドリー事業を立ち上げる。自動運転開発企業の米Motional(モーショナル)との協業を通じて、レベル4以上の自立走行実現のために必要な共通領域のプラットフォームを開発し、世界の自律走行ソフトウェア技術企業に提供する計画。

エネルギー戦略では、バリューチェーン全体でグループ全体の水素技術力を強化。水素バリューチェーン事業ブランド「HTWO」を通じ、路面電車や鉄道、先進的な航空モビリティ、重機、船舶などの用途をカバーし、さまざまなニーズに応える燃料電池システムのラインナップを拡充。持続可能なエネルギー技術とソリューションに焦点を当てたHTWO事業を通じ、世界のエネルギー転換期におけるトップクラスのエネルギーリーダーシップの確保を目指す。

財務戦略は、中長期投資計画や収益目標、バリューアッププログラム、その後の株主還元方針など、「Hyundai Way」戦略を成功させるための要素を発表。2024年から2033年までの総投資額は120.5兆ウォン(約13兆2,270億円)で、内訳は研究開発(R&D)に54.5兆ウォン(約5兆9,818億円)、設備投資(CAPEX)に51.6兆ウォン(約5兆6,621億円)、戦略投資に14.4兆ウォン(約1兆5,800億円)となる。

中長期では、EVの継続的なコスト改善とEREVモデルの導入により、2027年の営業利益率を9~10%とし、2030年には10%以上とする。

株主還元策の拡充として、総株主利益率(TSR)コンセプトを導入することで、企業価値の向上を図る。制度には配当や自己株式の消却、買い戻しも含まれる。2024年から株主に対して最低年間1万ウォンの配当金を支払うことも決定した。目標株主利益率(TSR)を35%以上とし、2025年から2027年にかけて、4兆ウォンを上限とする自社株買いプログラムを実施する予定。

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