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ボッシュ、利便性と安全性を向上する二輪車向け新アシスタンスシステムを公開。KTMの新モデルに搭載へ

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ボッシュ、利便性と安全性を向上する二輪車向け新アシスタンスシステムを公開。KTMの新モデルに搭載へ

ボッシュは9月24日、レーダーを活用した二輪車向けの新しい安全運転支援機能を発表した。

今回発表した新機能は6種類。レーダーベースの新アシスタンスシステムで、うち5つは世界初のシステムとなる。同社の事故調査によると、従来のアシスタンスシステムではドイツ国内での二輪車事故を7件に1件防止できる可能性があるところ、新システムでは6件に1件の確率に上がると推測している。

新機能のうち、前方用レーダーを利用した4機能が欧州の大手バイクメーカーKTMに採用された。2024年11月に発表する新モデルに導入し、2025年に量産を見込んでいる。

新アシスタンスシステムは、以下の通り。

・アダプティブクルーズコントロール ストップ&ゴー(ACC S&G)
車速を設定しておくと、システムがその範囲内で前方車両との安全距離を保ちながら交通の流れに沿った速度で車両を走行させるアダプティブクルーズコントロール(ACC)を応用した新しい機能で、必要に応じて二輪車を停止させることができる。二輪車が停止しても、ライダーはクラッチ操作なしで、前方車両が動き出したらボタンを押すかスロットルを短く操作することで走行を再開できる。オートマチックトランスミッションに適した機能となる。

・グループライドアシスト(GRA)
アルゴリズムの使用により千鳥走行中の集団を検知し、前方の二輪車との車間距離を速度調整して自動的に維持することで、ライダーが自然な隊列を取れるようアシストする機能。先行車両は車線の中央を走ると想定されているため、千鳥走行に対して機能を発揮することが難しいACCに追加した。隊列走行時以外は、ACCと同様に機能する。
・ライディングディスタンスアシスト(RDA)
交通の流れがスムーズなときに作動させると、前方車両との適切な車間距離を維持し、追突を防止する機能。速度設定の必要はなく、通常通りスロットルグリップでの制御が可能。前方車両との距離をあらかじめ設定することができ、走行中はシステムが自動的に車両の加速を抑えたり、ブレーキをかけたりする。スイッチでの機能停止や、スロットル操作でRDAシステムによる減速を無効化できる。

・エマージェンシーブレーキアシスト(EBA)
システムが衝突の危険を検知した際、ライダーが十分にブレーキをかけていないときに作動する機能で、システムがホイールブレーキ圧を上げ、車両速度を低減する。

・リアディスタンスワーニング(RDW)
車両後方の状況をモニターし、後方車両が接近し過ぎたとき、ライダーに対してディスプレイに警告を表示する機能。

・リアコリジョンワーニング(RCW)
衝突が差し迫っている際、ハザードランプ等を点灯して後続車両に警告を発し、さまざまな状況下での二輪車ライダーを急ブレーキや見落としによる事故から守る。

同社は、6つの新機能は、レーダーベースのアシスタンスシステムの世界的なポートフォリオを補完して二輪車の「感性の世界」を拡大すると考えている。基本的な安全性に加えて、二輪車特有の実際の走行状況を考慮した利便性や体験に関する機能も重視しており、走る楽しさを確保するとしている。

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