デンソー、安全運転スコアリングアプリ「yuriCargo」の機能連携サービス開始。他社アプリでも採用可能に

yuriCargoは、同社が2020年に開発したスマートフォンアプリ。スマートフォンに内蔵されている加速度センサーやGPSなどの情報を用いて、自動車による移動を自動で検知し、運転データを収集・分析。急アクセルや急ブレーキ、最高速度を判定し、運転終了後に運転をスコアリングすることで、安全運転意識の向上に寄与する。ユーザーは、スマートフォンにyuriCargoをインストールするだけで手軽に利用できる。

2021年からは、自治体と共に記録された運転データを活用し、急アクセルや急ブレーキが発生しやすい場所の特定や速度超過状況の可視化に取り組み、安全なまちづくりに貢献してきた。

今回、新たなサービスとして、yuriCargoの機能を他のアプリケーションに組み込むことができるyuriCargo SDKと、APIを通じてデータをアプリケーション間で連携するyuriCargo APIの2種類のサービス提供を開始。

同サービスを採用した企業や自治体は、自らが運用するアプリケーションのユーザーにyuriCargoの持つ運転データの収集・分析とスコアリング機能を提供できるようになる。CO2排出量の推定や自動車の起点と終点を調査するOD（Origin-Destination）調査など、交通安全に限定しない新たなユースケースにも利活用できる。

提供開始に伴い、yuriCargo SDKはイーデザイン損害保険の自動車保険「&e（アンディー）」のアプリケーションに採用された。yuriCargo SDKは、収集した運転データとスコアリングの情報や強い衝撃を検知した際の情報を&eのアプリケーションに提供。&eのアプリケーションは、提供された情報を活用し、ドライバーに運転の改善や事故連絡を促す。&eのアプリケーションでは、従来自動車に取り付けたセンサーから運転データを取得していたが、yuriCargo SDKを組み込むことにより、センサーの設置が不要となり、ユーザーの利便性向上が期待できる。

yuriCargo APIは、アネストシステムのアルコールチェック管理支援システム「BSS for ALC」に採用されることが決定。同システムは社員の運転前後のアルコールチェック結果を管理する企業向けシステムで、データ連携することで、アルコールチェックの履歴だけでなく、安全運転スコアなどの運転データもあわせてBSS for ALCの管理画面上で記録・確認することができ、ドライバーの安全管理の一元化に寄与する。

同社は、本サービスの改良や機能追加を重ねることで、交通事故死亡者ゼロの実現に向けて、企業・自治体とともに、ドライバーの安全運転意識の向上や運転データを活用した安全なまちづくりと、社会課題の解決を目指す。