ロールス・ロイス、1台限りのビスポークカー「スペクター・ルナフレア」発表。ホログラフィックペイント仕上げ

今回発表した限定車は、EVクーペ「スペクター」をベースに、顧客からの依頼を受けて制作したビスポークカー。色とりどりの光の輪が月を囲む「月暈」という光学現象からインスピレーションを得た、虹色効果を生み出すホログラフィック・ペイントに仕上げている。

注文のコンセプトに沿った仕上がりを表現するため、ペイントの化学成分、塗布のタイミング、ベースコートなどを試行錯誤し、開発には1年間を費やした。最終的に、特別配合の真珠光沢のコーティングを含む7層のラッカー塗装を施し、フレーク状のフッ化マグネシウムとアルミニウムを注入することにより完成。ほの暗い環境では深いメタリック効果を演出し、明るい陽光の下では虹色の鮮やかな色彩を表出する。

インテリアにもフルビスポークが施され、ネイビーブルー、ホワイト、ピオニー・ピンクの色調は、月暈で見られる色のスペクトルを表現。この配色はシート、ドア、スターライト・ヘッドライナーで使用されているほか、外側がネイビーで内側がアークティック・ホワイトのデュアル・トーンのステアリング・ホイールにも同じテーマを反映している。

2023年に同社が公開した「ファントム・シントピア」の塗装仕上げには、色を変化させる効果のある鏡面顔料を使用した「リキッド・ノワール」が採用されており、ファントム・シントピアに魅了された顧客が「このコンセプトを明るく光り輝かせ、心奪われる月暈の現象を反映したものを表現してほしい」と、ビスポーク・コレクティブに依頼したという。

スペクター・ルナフレアは1台限り製作され、同モデルのペイントは、コミッションを依頼した顧客の専用のものとなる。