電気のエキスパートに訊く|バッテリーのギモン解決!
バッテリーには、電気の作用と化学的な反応という、目視することが難しい要素が理解のハードルとして立ちはだかる。充電やそれにともなう劣化など、電動車の使用で体験するであろう事例と素朴な疑問から、バッテリーのメカニズムとその背景に迫る。
EDIT:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI)
PHOTO:AUDI/DAIMLER/BMW/VOLKSWAGEN/GM/MFi
目次
- Q1:容量いっぱいまでのフル充電、急速充電、使用しながらの充電が電池に良くない理由をわかりやすく教えてください。また、電池の立場から考えたときに、苦手な使われ方はどういうものでしょうか?
- A1: 歪みの最大と最小、そして急速を使わない
- A2:リチウムイオンバッテリーの電解液は電気分解が起きると元に戻らない
- A3:温度差を抑える工夫しか解決の道はない
- A4-1:バッテリーの中身よりも電極のコネクションのストレス対策が必要
- A4-2:車載するにあたってのハードルは温度と衝突安全性
- A5-1:できるだけ雰囲気温度も低く抑えたい
- A5-2:とにかく数量を増やして電池1個あたりの負荷を減らす
- A6:専用パッケージICの登場も高精度化に貢献
- A7-1:電圧バラツキを抑えることで結果的に放電を攻めることができる
- A7-2:温度変化を抑えるには効果はあるがシステム的には重くなる
- A8:電気分解しにくい電解液が高エネルギー密度のカギ
- A9:次世代車載バッテリーの最有力候補は全固体電池だが……
- A10:ガソリン車の製造時のCO2排出量はEVの約半分
- A11:日本の技術は優れているが温暖化に対しては鈍感で世界と温度差
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