時速130kmで走行中に百数十メートル先の路上落下物を認識できるLiDAR【AD/ADASの現状をおさらいする Vol. 7】
カメラの性能が高まり、相対的に存在感が薄くなった感のあるLiDAR。しかし、より高速な自動運転を実現したいというニーズを叶えるためのデバイスとして、いまなお他の追随を許さないパフォーマンスを発揮する。
TEXT&PHOTO:MFi FIGURE:Valeo
緻密でクイックな検知が可能なLiDAR
自動運転を実現するためには、とにかく緻密で早い前方検知が必要だ。フロントカメラの性能向上は目をみはるばかりだが、より高速で走行するならLiDARはまだ大きな存在感を放っている。ヴァレオのSCALAも1や2の世代では対応速度を50~60km/hとしていたが、欧州の高速道路対応などを勘案すると130km/h対応が現実的なところであり、自ずとSCALAの目指すべき仕様も定まってきた。
ヴァレオジャパンのコンフォート&ドライビングアシスタンシステムズ・R&Dディレクターの伊藤善仁氏は、最新世代のSCALAの仕様について次のように説明する。
「130km/hで走っているときに百数十メートル先の路上落下物が認識できるというのが目標でした。日本だとなかなかありませんが、例えばアメリカでは道路にタイヤが落ちていたりする。これを早期に認知できる性能が求められました。SCALA3の解像度が1や2に対して格段に高まっているのはこれが理由のひとつです」